日頃の診療でカフェインについて注意を促すことが増えました。 カフェインは、コーヒー、緑茶、ウーロン茶、紅茶、コーラ、栄養ドリンクなどに入っている成分ですが、カフェインは一つの化学物質であり、もっと言えば脳を刺激する「薬物」です。カフェインは、一般に「覚醒剤」と呼ばれているアンフェタミン・メタンフェタミン(こちらはもちろん違法な薬物です)と同じく、脳を刺激して覚醒を促す作用があります。私たち精神科・心療内科の専門用語では、カフェインはアンフェタミンと同じく「精神刺激薬」と呼ばれます。 カフェインにはそういう刺激・覚醒作用があるので、「眠気覚まし」「集中力を高める」という目的で摂取している人も多いと思います。確かに、運転に集中する時などに適量のカフェインを服用すると注意力が高まって良いこともあります。ただ、カフェインの摂取量が多くなると、頭痛、不安、抑うつ、不眠、吐き気、下痢などを起こします。