Ada_banaのブックマーク (122)

  • 『バールの正しい使い方』(青本雪平・著)のレビュー - 本で死ぬ ver2.0

    ランキング参加中読書 今回紹介するのはこちら。 バールの正しい使い方 作者:青雪平 徳間書店 Amazon この、書店でたまたま見かけて、なんとなく惹かれて買ったものの、しばらく積読になっていた一冊です。つい先日、ふいに読んでみたら予想外(←失礼)におもしろくて一気に読んでしまいました。 んで、この作品についていろいろ考察も書きたいのですが、たとえばこのに通底しているテーマとか、タイトルの意味とかをちょっと書くだけでもすごいネタバレになってしまうので、ちょっと憚られてしまいます。 といっても、べつにこの作品の場合は、たとえば最後の最後にすごいどんでん返しがあるとか、驚くべきトリックがあるとか、そういうわけではありません。 ただ、情緒面のところで、読んでいくと「あー、なるほどそういうことだったのかー」という思いを抱くだろうと思うのです。むしろ、そうした情緒面のカタルシスを損なわないよう

    『バールの正しい使い方』(青本雪平・著)のレビュー - 本で死ぬ ver2.0
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    Ada_bana 2023/03/16
  • 『四つ子ぐらし』(ひのひまり・著)のレビュー? - 本で死ぬ ver2.0

    今回紹介するのはこちら。 四つ子ぐらし(1) ひみつの姉妹生活、スタート! (角川つばさ文庫) 作者:ひの ひまり,佐倉 おりこ KADOKAWA Amazon 自分に子どもが生まれてから図書館に行く頻度が増えて、絵のコーナーによく行くようになったのですが、そうすると自然と児童書のところをブラブラして、いわゆる児童書もよく読むようになりました。じつは以前に紹介した『バーティミアス』も、そんな過程で発見した一冊です。 バーティミアス サマルカンドの秘宝 上 1 作者:ジョナサン・ストラウド,金原瑞人,松山美保 静山社 Amazon んで、最近は自分の仕事でも文芸というか、いわゆるフィクション系の編集をするようになりました。そういう視点でいろいろなフィクションを読んでいると、気づきというか学びみたいなものがあります。そのひとつが、「物語の筋書きのおもしろさは2つのロジックで成り立っているので

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    Ada_bana 2023/03/09
  • 『名探偵のままでいて』(小西マサテル・著)のレビュー - 本で死ぬ ver2.0

    今回紹介するのはこちら。 名探偵のままでいて 作者:小西マサテル 宝島社 Amazon 宝島社が主催している「このミステリーがすごい!」で2023年の大賞を受賞した作品です。 著者の小西マサテルさんは、小説家としてはこれがデビュー作になりますが、もともとお笑い芸人から放送作家に転身してラジオ番組「ナインティナインのオールナイトニッポン」などの構成をずっと担当していたようです。帯にはナイナイの岡村さんによる推薦コメントがついていますが、これはそういう経緯があるからみたいです。 書をざっくり説明すると「認知症になってしまった祖父のところに孫娘(社会人)が身の回りで起きた謎を持ち込んで解決してもらう安楽椅子探偵モノの連作短編集」です。なお、祖父のところに持ち込まれるのは主人公の身の回りで起きたいわゆる「日常の謎」なんですが、「日常の謎」とは言いつつ、けっこう内容はヘビーです。けっこう人が死んで

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    Ada_bana 2023/03/02
  • 『22世紀の民主主義』(成田悠輔・著)のレビュー - 本で死ぬ ver2.0

    ブログの最終更新が昨年の5月になっていて驚きました。 私もいい年になってイロイロ忙しくなってしまったのがおもな理由ですが、このところちょっと余裕も出てきたので、ぼちぼちブログのほうも再開していきます。 ということで、再開の第一発目はこの。 22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる (SB新書) 作者:成田 悠輔 SBクリエイティブ Amazon 右側が丸いフレーム、左側が四角いフレームという変わったメガネだけで認識されているのではないかと思われる気鋭の研究者、成田悠輔さんのです。 20万部以上売れている超ベストセラーですね。 成田さん自身もメディアへの露出が多く、バラエティ番組にも出ていたりするので、は読んでないけど顔は見たことがあるという人は多いのではないでしょうか。 ただ、じゃあ成田さんがなにやっている人かというのは、知らない人が多数であろうと思われます。

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    Ada_bana 2023/01/22
  • 『匿名作家は二人もいらない』(アレキサンドラ・アンドリューズ著)のレビュー - 本で死ぬ ver2.0

    匿名作家は二人もいらない (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者:アレキサンドラ アンドリューズ 早川書房 Amazon ※今回のレビューはネタバレを含むのであしからず。 私の独断と偏見ですが、好きの人はだれでも、多かれ少なかれ「作家願望」をもっているものではないでしょうか。 たくさんのを読んでいるのに「を書きたい」という気持ちがまったく沸き起こらないのはあり得ない……とすら考えています。 私も、何度か小説を書いてみようと思いたち、書き出しを数ページ書いてはそのままになっている遺物がいつくかあります。 書は、そういう「作家願望」というドロドロした欲望をもった女性がどんどん暴走し、ついには人殺しまでしてしまうというサスペンスです。 以下、あらすじです。 作家になりたいという願望を持ちつつ、出版社でアシスタント・エディターとして働くフローレンスは、同僚のアマンダが書いていた小説が出版されるこ

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    Ada_bana 2022/05/10
  • 『生物はなぜ死ぬのか』(小林武彦・著)のレビュー - 本で死ぬ ver2.0

    生物はなぜ死ぬのか (講談社現代新書) 作者:小林武彦 講談社 Amazon ブログを初めてかれこれ7年になりますが、初めて「1か月以上更新しない」ということをやってしまいました。 まあもともと趣味として始めたブログだったので、あまり無理をしないようにやろうという心づもりでいたのですが、そうはいっても1か月以上更新しないでおくのもカッコ悪いなあという感覚があり、なんとなく最低でも月に一度は更新しようかなと思ってはいたのですが、ついに破ってしまいましたね。 単純に公私ともに忙しすぎたせい……というのが目下、最大の理由ですが、もうひとつあるのは、いままでの読書を見直すということもありました。 そのひとつが、「Kindle Unlimited」の解約検討です。 読書好きの皆さんにおかれましてはご存じの通り、Kindle Unlimitedというサービスは、月額980円を支払うことで、対象となって

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    Ada_bana 2022/04/04
  • 『バーティミアス サマルカンドの秘宝』(ジョナサン・ストラウド著)のレビュー - 本で死ぬ ver2.0

    バーティミアス サマルカンドの秘宝 上 1 作者:ジョナサン・ストラウド,金原瑞人,松山美保 静山社 Amazon バーティミアス サマルカンドの秘宝 中 2 作者:ジョナサン・ストラウド,金原瑞人,松山美保 静山社 Amazon バーティミアス サマルカンドの秘宝 下 3 作者:ジョナサン・ストラウド,金原瑞人,松山美保 静山社 Amazon 私たちの人生は有限であり、無限に近いのすべてを読むことはできません。 生きている間に読めるは、この世に存在するのごくごく一部だけであり、そのなかで自分が「最高におもしろい!」と呼べるに出会えるのは奇跡に近いでしょう。 だからこそ、読書人たちは日々、いろいろなを読みながら、そのとの出会いを夢見ているのかもしれません。 今回紹介するこの『バーティミアス』は、私にとってこれまで生きてきた中で一二を争うくらい、「最高におもしろい」になりました

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    Ada_bana 2022/02/13
  • 『老虎残夢』(桃野雑派)のレビュー - 本で死ぬ ver2.0

    老虎残夢 作者:桃野雑派 講談社 Amazon SNSの投稿では、「タグ付け」が重要になったりしますね。 いかにフックのあるタグがたくさんつけられるか、みたいなところで注目されやすくなったりするものです。 その意味では、このは「タグもりもり」な一冊でした。 帯の裏のほうにも書いていますが、書は ・芥川賞受賞作であり ・新人著者のデビュー作であり ・中国歴史小説であり ・武道の達人たちが特殊能力を発揮する「特殊設定もの」であり ・密室殺人であり ・館のなかの殺人であり ・孤島での殺人であり ・百合要素もある という作品であるからです。 書の中でとくに特徴的なのは「特殊設定」と「百合」でしょう。 まず特殊設定ですが、普通、ミステリーはわたしたちが暮らしている現実世界を舞台しているものが多いです。 そのため、人は空を飛ばないし、毒を飲んだら死にます。 しかし書の場合、登場人物たちはいず

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    Ada_bana 2022/02/02
  • 『タイタンの妖女』(カート・ヴィネガット・ジュニア)のレビュー - 本で死ぬ ver2.0

    タイタンの妖女 作者:カート ヴォネガット ジュニア 早川書房 Amazon ※ネタバレ入ってます SFというジャンルが問いかけてくるテーマは壮大なものが多いですが、哲学的なものも少なくありません。 つまり、 ・私たちはなんのために生きているのか ・人間とはなにか ・神のようなものは存在するか といったことで、それらをどストレートに読者に問いかけてくるのが、今回紹介する『タイタンの妖女』です。 ちなみに、解説を書いているのは爆笑問題の太田光さんです。 太田さんはこの作品の大ファンで、自分が所属する個人事務所「タイタン」は、この作品名に由来しています。 さてあらすじ。 作最大のキーパーソンはラムフォードという男です。 ラムフォードは桁違いの大富豪で、個人で宇宙船を作って愛犬と一緒に宇宙に旅立ったりしていました。 しかし、そこでラムフォードと愛犬カザックは「時間等曲率漏斗」(クロノ・シンクラ

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    Ada_bana 2022/01/20
  • 『medium 霊媒探偵城塚翡翠』(相沢 沙呼・著)のレビュー(ネタバレ注意) - 本で死ぬ ver2.0

    ※今回はレビューの性質上、思いっきり作のネタバレを含んでしまうので、読んでない人は自己責任でお願いします medium 霊媒探偵城塚翡翠 (講談社文庫) 作者:相沢沙呼 講談社 Amazon ちょこちょことミステリーを読んでいると、なんとなく「きな臭い登場人物」というのが嗅ぎ取れるようになってくるのではないでしょうか。 個人的には「こんなやつは怪しい3大ミステリ登場人物」がいたりします。 「やたら親切な人」「まったく目立たない地味な人」、そして「可憐で守られるタイプのヒロイン」です。 ミステリの定石として、基的に読者の予想を裏切るキャラクターが求められます。 つまり、 ・やたら親切な人だと思ったけど、じつは猟奇殺人鬼だった ・すごく地味で目立たない人かと思ったら、偏執的殺人狂だった ・可憐で守られるタイプのヒロインかと思ったら、人殺しを屁とも思わないサイコパスだった という感じですね。

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    Ada_bana 2021/12/19
  • 『コンピュータ、どうやってつくったんですか?』(川添愛・著)のレビュー - 本で死ぬ ver2.0

    コンピュータ、どうやってつくったんですか?:はじめて学ぶ、コンピュータの歴史としくみ 作者:川添 愛 東京書籍 Amazon ちょっとご無沙汰していましたが、また更新します(理由はあとで)。 『2001年宇宙の旅』などで有名なSF作家のアーサー・C・クラークは、『未来のプロフィル』というエッセーのなかで、のちに「クラークの三法則」とよばれるものを書きました。 (1)高名で年配の科学者が可能であると言った場合、その主張はほぼ間違いない。また不可能であると言った場合には、その主張はまず間違っている。 (2)可能性の限界を測る唯一の方法は、その限界を少しだけ超越するまで挑戦することである。 (3)十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない。 いちばん有名なのはたぶん3番めのやつです。 私たちはふだん、当たり前のようにパソコンやスマホを使っていますが、パソコンやスマホがどうやって動いているの

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    Ada_bana 2021/11/17
  • 『かがみの孤城』(辻村深月・著)のレビュー - 本で死ぬ ver2.0

    かがみの孤城 作者:辻村深月 ポプラ社 Amazon をつくる仕事をしていてつねづね思うのは、「売れるにするのであれば、内容を難しくしすぎてはいけないなあ」ということです。 ビジネス書とか実用書だと、これはとくに顕著です。 そもそも著者はなんらかの道のプロフェッショナルであり、一般の人よりもたくさんの知識と経験を持っているという点で特異な人物です。 だからこそを書けるわけです。 私は文芸書の編集者ではないので小説については門外漢ですが、おそらくこの法則は小説にも当てはまるのではないかなと思います。 それを感じたのは、『謎解きはディナーのあとで』を読んだときでした。 謎解きはディナーのあとで (小学館文庫) 作者:東川篤哉 小学館 Amazon 私は東川篤哉さんの小説がけっこう好きで烏賊川市シリーズは楽しく読んでいました。 そんな東川さんの新シリーズが屋大賞を受賞して売れているという

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    Ada_bana 2021/07/30
  • 『知識ゼロからの日本絵画入門』(安河内眞美・著)のレビュー - 本で死ぬ ver2.0

    私は仕事でビジネス実用系のを作っているので、仕事の一環として最近売れているビジネス書とか実用書とかもよく読むのですが、最近はちゃんと「読む」ことがめっきり減ってきてしまいました。 この理由を考えると、単純に私が年をとってしまったことがあるのかもしれません。 結局、ビジネス書とかハウツーで書かれていることは同じことの繰り返しであり、既知の情報ばかりになってきてしまったので、「おもしろい」と感じる機会が減ってきてしまったのです。 なので、そういったビジネス書はあくまで仕事のための資料、マーケティングの素材として淡々と「目を通す」だけになりました。 よほどおもしろいものであれば別ですが、そうでなければわざわざレビューを書いたりブログで紹介しようという気にもならなくなりつつあるのは、進歩なのか精神的後退のはじまりなのか、自分では判断がつきにくい部分でもあります。 もうひとつ最近感じるのは、長時

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    Ada_bana 2021/07/27
  • 『完全版 無税入門』(只野範男・著)のレビュー - 本で死ぬ ver2.0

    どのだったかは忘れましたが、先日Amazonでとあるのレビューをザッ見ていて、「著者の主義主張が入っていてよくない」というような書き込みを見ました。 私からすれば、著者の主義主張がまったく感じられないなんて読む必要があるんか?……などと思ってしまいますが、まあに求めるものは人それぞれです。 しかい、じゃあ「著者のキャラが文章に出る」っていうのは具体的にどういうことなんでしょうか。 これは、なかなか説明するのが難しいです。 でも、ちょっとした言い回しや言葉の選び方、具体例の挙げ方といった文章の端々に「その人らしさ」というのは絶対に現れてくるものなのです。 あとは、「余計な一言」ですね。 別に必要ではない、最後の余計な一言に、びっくりするくらい著者の人間性みたいなものを感じ取れたりします。 というわけで今回紹介するこのなのですが 完全版 無税入門 文庫版 作者:只野範男 飛鳥新社 A

    『完全版 無税入門』(只野範男・著)のレビュー - 本で死ぬ ver2.0
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    Ada_bana 2021/06/24
  • 『世界のエリートが学んでいるMBAマーケティング必読書50冊を1冊にまとめてみた』(永井孝尚・著)のレビュー - 本で死ぬ ver2.0

    世界のエリートが学んでいるMBAマーケティング必読書50冊を1冊にまとめてみた 作者:永井孝尚 KADOKAWA Amazon あるが「いい」か「悪い」かというのは完全に個人の主観なので正解なんてないと思いますが、私はいち読者としてに接する場合、「世の中の99%はいいである」というスタンスでいます。 それはなぜかというと、「どんなでも学ぶべきところが1つくらいはある」という視点でを見ているからです。 死ぬほどつまらないも、「なぜこのは死ぬほどつまらないのか」ということを考えると、今後同じようなを読まないようにしようという学びを得られますね。 さて書はタイトルの通り、マーケティングの名著50冊の内容をこれ1冊で簡単に理解できるという趣旨のです。 ちなみに「MBAマーケティング必読書」と銘打っていますが、この50冊をどういう基準で選んだのかというと、これはおそらく著者の

    『世界のエリートが学んでいるMBAマーケティング必読書50冊を1冊にまとめてみた』(永井孝尚・著)のレビュー - 本で死ぬ ver2.0
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    Ada_bana 2021/06/10
  • 『道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』(管賀江留郎・著)のレビュー - 本で死ぬ ver2.0

    道徳感情はなぜ人を誤らせるのか ~冤罪、虐殺、正しい心 作者:管賀 江留郎 発売日: 2016/05/11 メディア: 単行 鎌倉時代に浄土真宗を起こした親鸞は「他力願」「悪人正機」という考え方を世に打ち出しました。 この考え方を端的に表現しているのが、有名な『歎異抄』のなかの次の一文です。 善人なおもって往生を遂ぐ いわんや悪人をや (善人だって極楽に行けるんだから、悪人だったら極楽に行けるに決まってるでしょ) ふつうに読むと「は?意味わからん」となりますね。 善人が極楽に行けるのはわかるけど、なんでそれで「悪人も当然、極楽に行ける」という結論に行き着くのか。 ここでポイントになるのは「悪人」がなにを意味するのか、ということです。 ここでいう悪人とは「自分が悪い人間、至らない人間だと自覚している人」のことです。 そもそもの話、私たちはこの人間界に生まれている時点で善人ではないのです。

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    Ada_bana 2021/05/18
  • 『ネガティブ・ケイパビリティ』(帚木蓬生・著)のレビュー - 本で死ぬ ver2.0

    新型コロナで東京都などに3度めの緊急事態宣言が出て5/31までの延長が決定しましたが、まあたぶん大多数の市民の感覚としては「はいはい」という感じであまり気に留めていない感じかと思います。 そもそも「緊急事態」というのはなんなのでしょうか。 Wikipediaによると、日で緊急事態宣言が出たのは 1941年:太平洋戦争 1948年:阪神教育事件(GHQの養成を受けた日政府が朝鮮学校を閉鎖しようとしたら在日韓国・朝鮮人と共産党が暴動を起こした事件) 1982年:日国有鉄道(いわゆる国鉄)の極度の経営悪化による強行民営化 2011年:東日大震災による福島第一原発事故 となっています。 つまり緊急事態宣言というは 「マジ国家の存亡にかかわるやべえ状況だから、政府が一時的に法律を無視するようなことするけど許してね」 ということですね。 緊急事態宣言が出るというのはそれくらい「やべえ状況」であ

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    Ada_bana 2021/05/10
  • 『大人の教養として知りたい すごすぎる日本のアニメ』(岡田斗司夫・著)のレビュー - 本で死ぬ ver2.0

    ここのところブログの更新が滞り気味なのは仕事がいろいろ忙しくてあまりを読めなかったというのもあるのですが、同時に「これはおもしろい。紹介せざるを得ない」と感じるようなに出会えなかったことも理由の1つにあるような気がします。 おもしろいに出会えない原因はいくつか考えられます。 1つは、単純に読んでいるが少なすぎる、あるいは書店に行く時間が少なすぎるということです。 結局のところ、なにをおもしろいと感じるかなんて十人十色なので、自分がのめり込めるに出会うには有象無象のを読みまくるしかないでしょう。 あとは、「つまらないでも読まざるを得ない状況だった」というがあります。 これは私が編集者をしているからで、ふつうの人であまり当てはまることはないと思いますが、編集者という仕事をしているといまつくっている(あるいは企画している)の資料としていろいろなを読まなければいけないことが多く

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    Ada_bana 2021/04/30
  • 『ブルシット・ジョブ』(デヴィッド・グレーバー著)のレビュー - 本で死ぬ ver2.0

    アルベール・カミュの随筆『シーシュポスの神話』には、神々の怒りを買ったシーシュポスが、ひたすら山の山頂に岩を運び続ける罰を与えられるという話があります。 でもシーシュポスが苦労して山頂に岩を運んだ瞬間、岩は絶対に山のふもとまで転がり落ちてしまいます。何度やっても、この結果は変わりません。 シーシュポスの神話 (新潮文庫) 作者:カミュ 発売日: 1969/07/17 メディア: 文庫 私たちが日々やっていることも、このシーシュポスとなんら変わらないのかもしれません。 自分がやっている仕事に意味があるのか……という思いを抱いたことがある人は少なくないのではないでしょうか。 少なくとも私はけっこう頻繁に感じます。 そもそもなんて生活になくても死なない嗜好品みたいなもんですし、古今東西の名著が古びることはありませんから、商品は増え続けるばかりです。 すでに世の中にありとあらゆるコンテンツは出尽

    『ブルシット・ジョブ』(デヴィッド・グレーバー著)のレビュー - 本で死ぬ ver2.0
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    Ada_bana 2021/04/22
  • 『羊たちの沈黙』(トマス・ハリス著)のレビュー - 本で死ぬ ver2.0

    羊たちの沈黙(上)(新潮文庫) 作者:トマス・ハリス 発売日: 2020/05/15 メディア: Kindle版 羊たちの沈黙(下)(新潮文庫) 作者:トマス・ハリス 発売日: 2020/05/15 メディア: Kindle版 ※ネタバレ含むので注意 今回紹介するのは歴史に名を残すサイコスリラーの傑作、『羊たちの沈黙』です。 映画も大ヒットしたので名前は知っている人は多いと思いますが、意外と原作小説を読んだことがない人も多いのではないでしょうか。 じつは私もそのクチで、小説は読むつもりはなかったのですが、平山夢明さんの『恐怖の構造』を読んでいたら、平山さんがこの『羊たちの沈黙』の小説が大のお気に入りで、数え切れないほど読んだと書かれていたので、それだけ絶賛するのであれば一度くらいは読んでみるべえなと思いたった次第であります。 恐怖の構造 (幻冬舎新書) 作者:平山夢明 発売日: 2018/

    『羊たちの沈黙』(トマス・ハリス著)のレビュー - 本で死ぬ ver2.0
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    Ada_bana 2021/02/06