(英エコノミスト誌 2012年8月4日号) 5年に及ぶ危機を経て、ユーロ圏は日本流の経済停滞に陥る恐れがある。 今から5年前、状況はバラ色に見えた。2007年8月第1週の投資家と主要中央銀行による予測は、欧米諸国の成長率が2~3%になると見ていた。 だが、2007年8月9日にすべてが一変した。フランスの銀行BNPパリバが、サブプライムローン関連投資で巨額損失が発生したと発表。同じ日、欧州中央銀行(ECB)は950億ユーロ(当時のレートで1300億ドル)の緊急資金供給を余儀なくされた。危機が始まったのだ。 最初の1年間、政策立案者は参考のために日本に目を向けた。いや、むしろ悪しき例として見たと言った方がいいかもしれない。 「失われた10年」から得た3つの教訓 日本の債務バブルは1991~2001年の「失われた10年」を引き起こした。アナリストは一般に、3つの教訓を引き出した。 日本流の経済停