オフィスや会議室、食堂まで、すべての椅子を健康器具の「バランスボール」にしてしまった会社がある。 京都市山科区の美容室向け頭髪化粧品メーカーの中野製薬だ。 腰痛に悩んでいた中野耕太郎社長(52)が「筋力強化のために」とフィットネスクラブで薦められ、まず秘書2人と使い始めた。調子がよくなったことから、今年4月、本社や滋賀県の工場、東京支店で計400個を購入し、薬品を扱う実験室以外全室に導入した。ボールは直径75センチで1個2000円弱という。 健康効果は検証していないが、マーケティング本部の女性(28)は「姿勢が良くなった気がします。体を動かすとアイデアが浮かびやすい」という感想だ。 当然、応接室の客用椅子も。客には「え、これに座るんですか?」とひどく驚かれるが、商談は和やかに進むと広報担当者は説明している。