カービィは不思議な生き物だ。誰もが見れば頷くことだろう。飛んで跳ねて、吸い込んでコピーする。摩訶不思議なピンク色のわかものが、カービィなる存在である。それゆえに、カービィを中心として展開する物語もまた、おとぎ話のようにファンシーなストーリーであると認識しているユーザーも多いことだろう。 しかし、実はカービィをめぐる物語は、一筋縄ではいかない。『星のカービィ』(以下、カービィ)シリーズで語られる筋書きは、時代により変化し、そのときどきでまったく異なる表情を見せてきた。とりわけ、初代『星のカービィ』を手がけた桜井政博氏が描いた『カービィ』を考えると、現代における『カービィ』シリーズのストーリーテリングはまったく様変わりしたといえる。 そこで本稿では、3月25日に来たる『星のカービィ ディスカバリー』を前に、ここ10年の『カービィ』におけるナラティブを振り返ってみたい。過去と現在を踏まえて見えて
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