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  • 「 中台首脳会談の開催を突然発表 後がない馬台湾総統に漂う危うさ 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

    『週刊ダイヤモンド』 2015年11月14日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1108 「馬英九氏が何をしでかすか分からない」。台湾の李登輝元総統は9月18日、台北の自宅でこう語った。台湾安全保障協会主催の「両岸関係とアジア太平洋地域国際平和セミナー」で講演するために台湾を訪れたときのことだ。 李元総統は、あらかた国民の支持を失ったといってよい馬総統と国民党が、来年1月16日の総統選挙で台湾人の政党である民主進歩党の蔡英文氏に敗れ、政権を手放すのはほぼ確実だとみられている中、残された半年の任期中に、中国との統一に向けてとんでもないことをしでかす危険性があると懸念していた。 「何をしでかすか分からない」とは、一体どんなことが考えられるか、と尋ねると、李元総統はこう明言した。 「馬氏が中国との間で、和平協定を強引に締結するかもしれません。それをやられたら、蔡氏は身動きが取れなくなって

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  • 「「ノーベル賞」山中伸弥教授との対話 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

    『週刊新潮』 2015年11月19日号 日ルネッサンス 第680回 11月8日、私がキャスターを務める『言論テレビ』3周年の会で山中伸弥氏と対談した。人類を病気や老いの苦しみから救うと期待されているiPS細胞を作製し、ノーベル生理学・医学賞を受賞した氏との出会いは、受賞前に遡る。 グロービス代表の堀義人氏が主催するG1サミットが、2011年、山梨県小淵沢で開催され、私は当時野党だった自民党の安倍晋三氏と歴史問題について対談した。会場から質問したのが山中氏だった。氏は当時をこう振りかえった。 「私たち理系の人間は高校ぐらいから理系中心の学びで、社会、歴史はあまり勉強してきませんでした。 いまも毎月サンフランシスコの研究所に通って研究していますが、周りには中国韓国出身の方が大勢いる。普段は仲良く切磋琢磨していますが、歴史の節目、たとえば日が負けた日、彼らから見れば勝った日などになると、少

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  • 「 さまざまな国籍、民族の人々が集い大盛況だった憲法改正一万人大会 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

    『週刊ダイヤモンド』 2015年11月21日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1109 11月10日、東京・九段の日武道館が1万1千数百人でいっぱいになった。「美しい日の憲法をつくる国民の会」が主催した「今こそ憲法改正を!一万人大会」でのことだ。 目標数を超える人々が集い、立ち見が目立った会のもう1つの特徴は、多くの外国の人々が参加したことだ。米国、ベトナム、インド、中国台湾、南モンゴル、チベット、東トルキスタンとさまざまな国籍、民族の人々が集い、日の憲法改正を求めた。こんなことは初めてではないだろうか。 大会には、米上院軍事委員会の長であるジョン・マケイン上院議員がメッセージを寄せた。氏の公的地位を考えれば、氏のメッセージ中に「憲法改正」の文言がないのは当然だ。内政干渉にならないように慎重に言葉を選び、氏は安倍晋三首相の積極的平和外交をワシントンでは共和、民主両党が一致

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  • 「 高速増殖炉継続で日本の国益を守れ 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

    『週刊新潮』 2015年11月26日号 日ルネッサンス 第681回 原子力規制委員会(以下、規制委)は国家行政組織法による3条委員会である。委員長及び4人の委員は衆参両院の同意を得て総理大臣が任命する。公正取引委員会同様、規制委は内閣から独立した強い権限を持ち、総理大臣といえども注文をつけることはできない。その強い権限で日のエネルギー政策の根幹を動かし得る立場にいる5人とは、田中俊一委員長を筆頭に、更田豊志、田中知、石渡明、伴信彦の4委員である。 規制委は11月13日、高速増殖炉「もんじゅ」を運営する日原子力研究開発機構(以下、機構)について、所管省の長である文部科学大臣に厳しい勧告を突きつけた。 「機構については、単に個々の保安上の措置の不備について個別に是正を求めれば足りるという段階を越え、機構という組織自体がもんじゅに係る保安上の措置を適正かつ確実に行う能力を有していないと言わ

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  • 「 7万人の群衆が蜂起する大暴動が発生 左翼勢力が勢い増す韓国の危機 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

    『週刊ダイヤモンド』 2015年11月28日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1110 パリが襲われ、世界の目がイスラム原理主義者による大規模テロに吸い寄せられたのと同じ日、韓国で7万人の群集と2万人の警官が衝突する大暴動が起きた。群集は朴槿恵大統領の退陣を要求して青瓦台に向かう途中、警察の機動部隊に阻まれ大型車両50台を襲い、3台を破壊した。115人の警官が負傷した。 YouTubeで「Korea riot 2015」と入れれば暴徒と化した7万人の動画を見ることができる。彼らは53団体の構成員から成り、その先頭に立ったのが韓国最強の労働組合といわれる金属労組である。日教組よりも尚左翼的な全教組や「祖国統一汎民族連合」(汎民連)の南側部も暴動に加わった。 汎民連は公安当局から「利敵団体」に指定されており、北朝鮮韓国、日におのおの部がある。日のそれは海外部と呼ばれている

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  • 「 テロと中国の脅威、自衛隊を強化せよ 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

    『週刊新潮』 2015年12月3日号 日ルネッサンス 第682号 11月23日、シンクタンク「国家基問題研究所」主催のセミナー、「南シナ海・米中の奇妙な冷戦」を行った。南シナ海で起きている中国の侵略は、必ず東シナ海でも起きる。東南アジア諸国から島を奪い、埋め立て、軍事拠点化して南シナ海のほぼ全域を自国の内海にしようとする中国は、力で日を圧倒できると判断した途端に、わが国に対しても同じような強硬さで、尖閣諸島と東シナ海のほぼ全域を奪おうとするだろう。 中国の意図は明らかなのに、南シナ海における米中関係は、どう見ても奇妙だ。米国は中国に極めて遠慮がちで、中国も米国に対し抑制的である。過去に日の頭越しに米中が手を握ったこともある。そのような中で、日はどう対処すべきかがセミナーの主眼だった。 南シナ海問題は、世界を揺るがしているテロリスト勢力を論ずることなしには考えられない。中東からアフ

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    Alpha_Centauri
    Alpha_Centauri 2015/12/07
    テロに対するにしても中国に対するにしても結局、地味に、速やかに自衛隊を強化するしかないのである。
  • 「 日章旗を土足で踏みつけさせる中国 大事に取り扱い返還してくれる米国 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

    『週刊ダイヤモンド』 2015年12月5日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1111 当にうかつだったが、西岡力氏に指摘されるまで、私は気付かなかった。 北京市郊外にある「中国人民抗日戦争記念館」は「抗日戦争勝利70年」の今年、全面改装され7月に公開されたが、広い館内を一巡する道順の一画に異様な空間がある。ガラス張りの床の下に日章旗を埋め込み、参観者はわが国の国旗を土足で踏みつけなければ一巡できない構造だというのだ。 これだけでも日国への許し難い侮辱だが、氏が憤る原因はまだある。 「ガラスの床下の日章旗には、『祈武運長久』などの言葉と多くの人の名前が書き込まれています。出征軍人に家族、友人、故郷の人々が心を込めて寄せ書きをしているのです。皆、その旗を大切に身に着けて戦った。しかし彼らが捕虜になったり、戦死したとき、寄せ書きの日章旗は奪われた。抗日戦争記念館の日章旗はそのように

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    Alpha_Centauri
    Alpha_Centauri 2015/12/07
    日章旗を日本の軍人の魂と、家族の愛情と祈りの表現として、大事に取り扱ってくれる米国、その旗を土足で踏みつけさせる中国。この相違を日本人は忘れてはならない。
  • 「 本当に重大な局面迎える拉致問題 早急に変更すべき外務省主導の交渉 」  | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

    『週刊ダイヤモンド』 2015年9月26日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1101 9月13日、東京・日比谷公会堂で拉致被害者奪還のための「国民大集会」が開かれた。安倍晋三首相、山谷えり子拉致問題担当大臣、萩生田光一首相特別補佐に加えて、社民党、共産党などを除く各党代表が揃って出席した。拉致解決に力を結集して臨む意気込みが込められていた。 現実は、しかし、非常に厳しい。次世代の党党首、中山恭子氏は昨年6月の「国民大集会」でも指摘した外務省による対応の根的問題を語った。 「昨年5月29日、日朝両政府がストックホルムで合意した取り決めでは拉致被害者は1人も取り返せません。北朝鮮は、遺骨、日、行方不明者、拉致被害者の4つを同時進行で調査すると言っただけです。拉致問題の優先も、被害者の帰国も言っていません」 ストックホルム合意に従って、北朝鮮が4つの事柄を調べるための特別調査委

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  • 「 日台の絆を深めた安保法制 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

    『週刊新潮』 2015年10月1日号 日ルネッサンス 第673回 9月18日午後、台北に向かい、19日午前には「両岸関係とアジア太平洋地域国際平和セミナー」に出席した。午前8時すぎに会場に行って驚いた。台湾の関係者らが「安保法制成立、おめでとうございます」と次々に声を掛けてきたのだ。 彼らは、真夜中すぎまでずっとテレビで見ていたという。中国の脅威を生々しい現実として、また重圧として感じている人々にとって、日の安保法制の議論は到底、他人事とは思えなかったのであろう。 事情はフィリピンやベトナムなど、東南アジア諸国にとっても同様だ。アジア諸国の安保法制に対する評価は台湾同様、極めて前向きで高い。実に嬉しそうな台湾の人々の表情が強い印象となって私の胸に残ったが、「戦争法案だ」「徴兵制がやってくる」と叫ぶ人々は、中国の脅威や危機に目をつぶる余り、アジア諸国の懸念を理解していないのではないか。

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  • 「 李登輝元台湾総統が語る「本当に頼れる国は日本」 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

    『週刊ダイヤモンド』 2015年10月3日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1102 台湾安全保障協会主催の「アジア太平洋地域の平和と安全セミナー」で講演するために、久しぶりに台湾を訪れた。 米国が世界の警察官ではないと宣言し、中国が力に任せて膨張する中、中国不変の最大の狙いが台湾併合である。これまで台湾の強力な後ろ盾だった米国だが、実は中国との外交取引の中で、台湾擁護の政策は複数回にわたって揺れてきたというのが、台北にある国立清華大学アジア政策センターの主任教授で米国人のウィリアム・スタントン氏の主張だった。 どこから見ても台湾はかつてない深刻な危機に直面している。その台湾が最終的に頼れる国はどこか。国民党の馬英九総統は明らかに中国だと考えている。国民党と対立する台湾人の政党で最大野党、民主進歩党(民進党)は米国と日だと考えている。 しかし、どこまで日米両国を信頼しているのか

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  • 「 対中せめぎあい、まず中国を知ることだ 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

    『週刊新潮』 2015年10月8日号 日ルネッサンス 第674回 果たして国際社会はどの方向に進むのか。パクスアメリカーナ(米国による平和と秩序の維持)か、「中国の夢」「中華民族の偉大なる復興」を謳う中国の下でのパクスシニカへの道か。この岐路の前で行われたのが9月25日の米中首脳会談だった。 訪米した習近平主席は9月23日、まず最初の訪問地ワシントン州シアトルで、ボーイング社の航空機300機を4兆5000億円(380億ドル)で“爆買い”し、今後5年で1200兆円(10兆ドル)分の商品を米国から買いつけると力説した。軍事力だけでは中国の夢は実現しない。経済においても米国の協力や取り込みが欠かせない。直接的な利益をもたらす経済攻勢によって、米国の中国批判は少しは和らいだだろうか。 オバマ大統領との首脳会談でも米中間の溝は埋めきれていない。平行線を辿ったまま、批判を浴びても同じ主張を展開する習

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    Alpha_Centauri
    Alpha_Centauri 2015/10/14
    中国の考え方を知ることなしには、日本の道も切り拓けないということである。
  • 「 米国は寛容な対中戦略を改め無法ぶりを許さない姿勢を 」  | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

    『週刊ダイヤモンド』 2015年10月10日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1103 9月末の米中首脳会談で最も充実した社説を出したのが米国の「ウォールストリート・ジャーナル」(WSJ)紙だったと思う。 同紙は9月25日付で「北京の新しい秩序」と題する社説を掲げ、これからの対中政策のあるべき姿を説いた。社説はまず両国間に考え方の違いはあるが、米国は、冷戦終結後の国際社会で中国に「責任ある利害関係者」になってほしいとの思いで接してきたと、歴史を振り返る。 冷戦時代、米国の最大の敵はソ連、そのソ連から中国を引き剥がし、ソ連を崩壊に追い込んだのがニクソン大統領の対中接近だった。 米国は中国をソ連とは根的に異なる国と見なして、あらゆる形で支援した。交流を拡大し、中国を内側から「民主化」させ、米国の戦略的パートナーに仕立て上げようとした。大きな市場としての中国の可能性にも期待した。その

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    Alpha_Centauri
    Alpha_Centauri 2015/10/14
    国際社会は習体制の無法ぶりをいつまでも許してはいない、米国政府はそのことを中国に知らしめる先頭に立つべしとの主張を、私は共有するが、その主張から最も遠いのが、任期を1年半も残しているオバマ政権なのだ。
  • 「 南シナ海強奪で開き直る中国 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

    『週刊新潮』 2015年6月11日号 日ルネッサンス 第658号 5月末にシンガポールのシャングリラホテルで行われたアジア安全保障会議では、大国意識を隠そうともしない中国が堂々たる悪役を演じた。国際社会から如何なる非難を受けても、中国の行為がどれほど非道であっても、動ずることなく突き進むと、事実上、宣言した。 中国人民解放軍副総参謀長、孫建国氏は会議最終日の5月31日に演説した。絵に描いたような開き直りの内容からは、アメリカをはじめとする国際社会への侮りさえ感じられた。1年前の同じ会議で中国がどのように振る舞ったかを思い返せば、まさに様変わりである。 昨年の同会議では安倍晋三首相が基調演説をし、中国を名指しすることなく、航行の自由、国際法遵守、紛争の平和的解決などを提唱した。米国防長官のチャック・ヘーゲル氏は、首相とは対照的に中国を名指しして厳しい批判を展開した。 日米両国の後に演説した

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  • 「 国益観を欠く安保法制の国会論戦 ニクソン外交に学ぶ戦略的視点 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

    『週刊ダイヤモンド』 2015年6月13日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1087 安保法制に関連する国会論戦はわが国の政治家、殊に野党政治家に国益観が欠けていることを示している。 5月末にシンガポールで開かれた「アジア安全保障会議」で、中国人民解放軍副総参謀長の孫建国氏は南シナ海問題でふてぶてしく開き直った。氏は演説で中国の埋め立てもインフラ整備も「軍事目的」であると認めながらも、それは「平和」「繁栄」「ウィンウィンの関係」に資するもので「中国の主権の範囲内」「正当な行為」であり「話し合い重視」で行っているなどと、あきれるほどの虚偽を37分間にわたって語った。多くの質問は「演説で回答済み」として退けた。 米国をはじめとする国際社会の批判には全く動じずに中国はわが道を行く、それだけの強さを中国は手に入れたという傲慢さである。パックスアメリカーナの時代がパックスシニカの時代へと大

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  • 「 首脳会談前に領土問題で激突 印中関係に見る本当の外交の姿 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

    『週刊ダイヤモンド』 2015年5月23日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1804 眼前で進行する世界の外交は、諸国が国益を懸けて激しく戦う実相を見せてくれる。ウクライナからクリミア半島を奪う際、核兵器使用の準備を整えていたとプーチン大統領は語った。 同発言は、「武器なき戦い」といわれる外交の背景には、常に軍事力が控えていることを、まるで外交の教科書のように見せてくれた。軍事力が「控えの間」から表に出てくれば、それを私たちは戦争と呼ぶがその手前の外交には、必ずいつも軍事力が付いて回る、外交と軍事は表裏一体ということだ。 ロシアほど、あからさまでなくともインドと中国の外交関係も、「両国はまさに戦っている」との実感を抱かせる。 インドのモディ首相が5月14日から16日まで中国を訪れる。訪問を前に、インド政府は長年の懸案であるインド北部のジャンム・カシミール州の領有権に関し中国政府に

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  • 「 オバマ大統領の無策で南沙に真の危機 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

    『週刊新潮』 2015年5月28日号 日ルネッサンス 第656号 米中関係はいま、大きな山場にさしかかっている。南シナ海を中国が目指す中華帝国の核心的利益の具体例とするのか、それとも、アメリカや日が貢献する自由な海洋にとどめるのかのせめぎ合いが続いている。 5月初旬、アメリカ海軍の艦船などを中国が南シナ海に築いた人工島の12海里以内に航行させることを検討するよう指示した。オバマ大統領が最終的に許可を与えれば、中国に対する大きな抑止力となるが、同大統領のこれまでの対中外交を見れば、疑問を抱かざるを得ない。 5月16日、国務長官、ジョン・ケリー氏は中国を訪れ、その日の内に王毅外相と会談した。会談では、王氏が強気で押しまくり、ケリー氏が受け身に終始したといってよいだろう。 ケリー長官は、会談で北朝鮮問題、イランの核問題、気候変動問題などと共に東シナ海及び南シナ海問題を提起したと報じられた。南

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  • 「 せめぎ合う米中、日本の存在強化の好機 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

    『週刊新潮』 2015年6月4日号 日ルネッサンス 第657号 5月20日、米国防総省は最新鋭のP8対潜哨戒機で南シナ海上空を偵察した。翌日、世界に公開された映像には南沙諸島海域に展開する幾十隻もの中国艦船が映っていた。その数は私が想像していたよりもはるかに多く、中国が猛スピードで埋め立てとインフラ整備を進めていることを改めて痛感した。 中国は現在5つの島に侵略の手をかけている。ヒューズ礁で9階建ての建物が建設中なのはベトナム政府発表の写真で確認できる。ジョンソン南礁の3000メートル級滑走路の建設も、ベトナム及びフィリピン政府の映像から見てとれる。ガベン礁にはヘリポートを、ファイアリークロス礁にも滑走路を建設中だ。 P8哨戒機は人工島の12カイリ外で偵察したが、ウォーレン国防総省報道部長は12カイリ内への進入は「次の段階」だと述べた。中国の対応次第で、さらなる緊迫が予想される。中国紙『

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  • 「 財務省の教員削減は本質知らず 解決策は民間の力の活用にあり 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

    『週刊ダイヤモンド』 2015年6月6日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1086 5月26日、安倍晋三首相の開催する教育再生実行会議と、下村博文文部科学大臣の諮問に応える中央教育審議会の意見交換会が行われた。私は中教審の委員の1人として出席したのだが、交換会では近未来社会に生ずる大きな変化に対応する教育の在り方に注目が集まった。 下村文科相が、3つの未来予測を示した。(1)今年小学1年生の児童が大学を卒業するとき、65%の児童がいま存在しない職業に就く、(2)今後10年ほどで47%の仕事が自動化される。この中には頭脳労働も含まれ人間の知的労働がコンピュータによって代替される、(3)2030年までに週15時間労働の時代が到来し、現在のように週40時間労働をすれば、失業者を生み出す結果となる。 下村文科相は右の未来予測を示した上で、いまのままの教育では日は到底持たないこと、どんな

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  • 「 見事だったバンドン会議の安倍演説 中国ではなく日本に吹く歴史の追い風 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

    『週刊ダイヤモンド』 2015年5月2・9日合併号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1082 歴史の追い風を受ける安倍晋三首相は強運の人だ。4月22日、アジア・アフリカ会議(バンドン会議)で首相が演説した。 「侵略または侵略の脅威、武力行使によって他国の領土保全や政治的独立を許さない」「国際紛争は平和的手段によって解決する」 このくだりはバンドン会議創設時の宣言だが、誰しも中国を思い出したことだろう。続けて首相はこう語った。 「バンドン会議で確認されたこの原則を、日は、先の大戦の深い反省とともに、いかなるときでも守り抜く国であろう、と誓いました」 バンドン会議はそもそも、武力や脅威による侵略に立ち向かう精神から生まれた。それがいまや中国に向けられていることを、世界の人々の心に想起させ、日が「深い反省」とともにバンドン精神を守ってきたことも明らかにした。見事なメッセージだ。 「ア

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  • 「 欺瞞に満ちた「原発再稼働」差し止め 」  | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

    『週刊新潮』 2015年5月7・14日合併号 日ルネッサンス 第654号 4月24日、インターネット配信の「言論テレビ」で、原子力が専門の北海道大学教授・奈良林直氏と法律が専門の名古屋大学名誉教授・森嶌昭夫氏をゲストに、福井地方裁判所の「決定」(判決)の疑問点を検証した。 福井地裁の樋口英明裁判長は、4月14日、関西電力の高浜原発3号機及び4号機(福井県)について「運転してはならない」とする仮処分を言い渡し、原子力規制委員会が原発の安全を担保すべく定めた新規制基準を「緩やかにすぎ、これに適合しても原発の安全性は確保されていない」「合理性を欠く」と非難した。裁判官が自分の専門分野ではない科学の領域に踏み入って、原発の安全性について独自の判断を下したわけだ。そのうえで、原発再稼働を許せば人格権が侵害されると断じた。 非常にわかりにくく、納得もし難い判決だが、奈良林氏が技術論の立場から指摘した

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