全世界シリーズ累計670万部を超える「館」シリーズ。綾辻が1987年のデビューから今もなお書き続けている同シリーズは「十角館の殺人」から「奇面館の殺人」まで9つの長編推理小説からなる壮大なストーリーで、現在はシリーズ10作目「双子館の殺人」が会員限定小説誌・メフィストで連載されている。「十角館の殺人」はたった1行で事件の真相を描くという大胆な手法で知られ、映像化は不可能と言われてきた作品だ。2023年10月には米タイム誌が選ぶ「史上最高のミステリー&スリラー本 オールタイムベスト100」に、フョードル・ドストエフスキーの「罪と罰」、アーサー・コナン・ドイルの「バスカヴィル家の犬」など世界の名著とともに選出された。 物語の舞台は1986年、十角形の奇妙な外観を持つ館“十角館”が存在する角島(つのじま)。この館を建てた天才建築家・中村青司(なかむら・せいじ)は、焼け落ちた本館・青屋敷で謎の死を