山梨県には「無尽(むじん)」という独特の習慣がある。無尽とは月1回程度、特定のメンバーで集まって食事や飲み会をすること。そして、その時に食事代とは別にお金を出し合って積み立て、メンバーが順番に使ったり、グループの目的のために役立てたりすることをいう。なぜこのような独特のシステムが生まれたのだろうか。 助け合いの精神から生まれた独特の習慣 「無尽」は、鎌倉時代に始まった庶民同士の融資制度が始まり。冠婚葬祭などまとまったお金が必要になった時、お互いに助け合うために作られたという。それなりの頻度で集まり、しかもお金が絡んでくるとなると、メンバー同士の信頼が必要になる。その点、山梨県は昔から住民同士のつながりが強く、このような独特の習慣が発展したようだ。 その後、金融サービスが発達して融資し合う必要はなくなったが、既に生活に根づいていた仲間で集まるという習慣は残った。現在では積み立てをする人たちも