会員登録(無料)していただくと、記事から任意の箇所を抜粋したり、メモをつけて保存できるようになります。 2000年代のはじめ、日本社会では「ジェンダー・バックラッシュ」と呼ばれる現象が起こりました。大雑把に言うと、保守派の政治家たちが、かれらの重視する家制度や戸籍制度といった価値観に基づき、女性の人権を擁護するフェミニズムを攻撃する運動です。そのきっかけとなったのは、1999年に施行された「男女共同参画社会基本法」(以下、「共同参画法」)でした。 この運動で「バックラッシュ派」が槍玉に挙げたのが「ジェンダー」という概念です。彼らの言い分をそのまま書くと「『共同参画法』をつくった者やそれに賛成する者はすべて共産主義者である――共同参画の「共参」とは「共産」のことである――。この共産主義者たちが使うジェンダーという言葉には、性差は存在しないという意味が含まれている。つまり『共同参画法』とは、社