大学2年生の夏、大学の学費が払えなくなりそうだったのでキャバクラでアルバイトを始めました。 少し怯えながら、偏見を持ちながら、どこか思考停止しながら入った水商売の世界は、 指名が一本、また一本と増える度に、自分の女性性の価値が分かりやすく金銭的に上昇していく居心地の良さをまとわりつかせるようになっていました。 大学の皆が知らないような世界を知った気分になり、自分にとっての10万円の価値が暴落してキャバクラ嬢としてのアイデンティティが形成されるにつれ、案外困るのは病院に患者としてかかる時。 蝸牛型メニエール病や軽度のアレルギー性鼻炎・結膜炎・アトピー体質、数ヶ月に1回発作の起こるパニック障害等ちまちました疾患を大量に持っているため、病院はそこまで重要な立ち位置ではなくとも欠かせない存在だったのですが、 ほぼ2日に1回のペースで記憶がなくなるギリギリセーフの量のお酒を飲む私にとっては運の悪いこ