政府は外務省の河相周夫事務次官(60)を退任させ、後任に斎木昭隆外務審議官(政務担当)(60)を充てる人事案を固めた。政府筋が14日、明らかにした。月内にも正式決定する。斎木氏はアジア大洋州局長を務めるなど対北朝鮮政策に長年関与し、安倍晋三首相とも近い。政権として拉致問題へ本格的に取り組む姿勢を鮮明にする狙いとみられる。 河相氏は民主党政権当時の昨年9月に就任した。通常、2年程度務める外務次官を1年未満で交代させるのは異例。外交面で「民主党色」を払拭し官邸主導を強める思惑もありそうだ。 河相氏は国連大使に転出する方向で調整する。斎木氏の後任となる外務審議官の人選も急ぐ。 斎木氏はアジア大洋州局参事官だった小泉第1次訪朝後の2002年10月、拉致被害者5人の帰国の際、チャーター機で平壌入りした。被害者家族会の信頼が厚いことでも知られる。08年から3年間、6カ国協議の日本首席代表を務め、日朝実