米オクラホマ州で4月29日、州当局が薬物注射による死刑執行に失敗した。AP通信などが伝えた。死刑囚はその後、心臓発作で死亡したが、同じ日に予定されていた別の執行は延期された。 米国では、複数の薬物を投与しての死刑執行が一般的。しかし、死刑に反対する欧州に拠点を置く製薬会社が提供を拒んでいるなどの理由から、薬物の入手が困難になっている。29日の執行も、こうした理由から同州では初めてとなる薬物の組み合わせが使われていた。同州知事は失敗の理由の調査を命じており、結論次第では他州の執行にも影響する可能性がある。 AP通信によると、死刑囚は最初の薬物が投与された約10分後に意識を失ったと宣告されたが、その約3分後に息が荒くなり、体を動かして頭を上げようとし、声も出したという。州は注入に問題があると判断して執行を中止したが、死刑囚はその後死亡。執行開始から約40分たっていたという。(デモイン=中井大助