福岡高裁、松橋事件再審を29日判断=地裁は認める、殺人で服役 熊本県宇城市(旧松橋町)で1985年に男性が刺殺された「松橋事件」で、殺人罪などで服役後、熊本地裁が再審開始を決定した宮田浩喜さん(84)の再審請求即時抗告審で、福岡高裁(山口雅高裁判長)は20日、再審開始の可否について29日に決定を出すと弁護団に伝えた。 昨年6月の地裁決定は、確定判決で凶器とされた小刀の形状と被害者の傷が一致しない可能性があると指摘した。宮田さんが「凶器に巻き付け、犯行後に燃やした」と自白した布切れが、燃やされずに検察側が保管していたことなども踏まえ、「自白の信用性は認められない」と判断し、再審開始を決定。検察側が即時抗告していた。 弁護団によると、即時抗告審で検察側は、凶器の形状と傷の矛盾は「誤差の範囲内」とした上で、犯行に使われた布切れは地裁の決定で指摘された布切れとは別のものだった可能性があると主張した