つのはず誠 音楽チャートアナリスト 京都大学大学院理学研究科から三菱化学に入社。97年に趣味を仕事に活かそうと音楽系広告代理店に転職、05年10月に独立しT2U音楽研究所を設立、音楽市場分析、企画CDの監修、選曲、記事執筆を行っている。 この著者の記事を見る
いきなりテレビモニタに自分の顔が映るのは精神衛生上、すこぶるよろしくない。 昔は若気の至りで毎週レギュラー番組に出ていたこともあるが、なんというか、私も20代で自分の分際というものをよく心得ていなかった。本当にすまなかった。 それでも通常のテレビ番組は、人気ドラマ以外はあまり再放送されないので、誰かが意地悪でYoutubeにアップでもしない限り、そういう軽薄なイタリの姿を再見することはない(探し出さないように)。 だが、映画は別だ。 今どきはBSやケーブルテレビでチャンネルが増えたせいもあり、それなりに需要のある映画は、どこかしこでけっこうな頻度で放映される。 もったいをつけているけれども、こんなマンガ家が「ちゃんと出ている」映画などあるわけもない。数日前にいきなりテレビに映ったその作品には、その他大勢のセリフもないエキストラとして、まさに「写っている」のであって「出ている」というのはおこ
いまや泣く子も黙る、それどころかテーマ曲が鳴ると踊りだす赤ちゃんもいるという「あまちゃん」。 このドラマを私が知ったのは、第1週の土曜日にBSで放送された「まとめあま」(1週間分の再放送)でした。 当時のツイッターで自分のつぶやきを振り返ると、出演陣の豪華さと小ネタの効いた脚本、そして北三陸の海の美しさに魅了されています。 「いつか、この海を見に行きたい!」 その翌日に仙台へ用事のあった私は、久慈行きは叶わなかったものの、松島海岸まで足を伸ばし、北三陸の海に思いを馳せました。 これまで朝ドラを観る習慣などなかった私が、「あまちゃん」が始まってからは朝起きるのが苦痛どころか喜びに変わり、軽快な大友良英さんのテーマ音楽が目覚まし代わりになりました(今ではどんなに遅く寝ても、「あまちゃん」放送前に自然と目が覚める体質に。これぞ「あまちゃん」健康法!)。 ツイッターであまちゃん愛の濃さと広がりを知
9月1日から2日にかけての私のツイッターのタイムライン(TL)は大変なことになっていた。 巨匠の引退発表、朝ドラ311の回、そして竜巻。 巨匠は会見が9月6日に予定されているということなので、それまで待とう(ただし、待ったからといって予告通り次の回の話題に選ぶとは限らないが)。今回は、いまさらですが「あまちゃん」の話です。 だが、いまさら「あま論」をぶとうとか、そういう話ではない。そういうことを「語らない」という話だ。我ながら面倒臭いにもほどがある。 先週土曜日の回で月曜が震災回になることがわかった時点から、その後の私のTLでは「気が重い」「ユイちゃんどうなるの」「心配しなくてもこれ読んどけ」的な、気を揉む、あるいは俺的妄想ストーリーを語るツイートが48時間絶えることはなかった。 まさに人々は満を持して月曜朝のOAを迎えたのである。 まるで2年半前にタイムリープした、これから起こる惨禍を知
「あまちゃんブーム」を特集する今回の「社会を映し出すコトバたち」。本稿はその後編となります。 前編では「『あまちゃん』は本当にブームなのか?」という疑問を解くべく、視聴率や新聞の記事数について過去の朝ドラ(=NHKの連続テレビ小説)と比較してみました。また「朝ドラからどんな流行語が登場したのか」についても紹介しました。 後編の本稿はその続きです。まずは「朝ドラからどんな流行語が登場したのか」の締めとして、「あまちゃん」から誕生した流行語の数々を紹介。その後、歴代の朝ドラが「どんな社会現象を引き起こしたのか」を探ってみることにしましょう。 あまちゃんの流行語(1)じぇじぇじぇ ではさっそく「あまちゃん」から誕生した流行語から。 現在放送中の「あまちゃん」から「じぇじぇじぇ」という言葉が流行しています。気の早い話ではありますが、今年の新語・流行語大賞の有力候補として推す声も少なくありません(例
入社後すぐに、インターナショナルプロダクトマネジャーとして検索連動型広告事業の国際展開を任され、短期間で20カ国の展開を実現するという厳しい至上命題をクリアし、頭角を現した徳生健太郎。 彼が次に注目したのは、生まれ故郷の日本でブレイクしていた携帯電話。いわゆるモバイルサービスだった。2004年の春から1年ほどかけて準備をし、2005年6月にグーグルによるモバイル検索サービスをスタートさせる。 翌2006年には日本の携帯キャリアとのパートナーシップを実現させるなど、会社の上層部を巻き込むビッグビジネスになった日本でのモバイル検索サービスは大きな収益を生み出し、徳生の名前はグーグル社内で広く知られるに至った。 だがもう1つ、徳生の名を知らしめることになったのは、社内外で大きな話題となったモバイル検索サービスだけではなく、ほとんど同時並行でもう1つのプロジェクトを日本のユーザー向けに推し進めてい
ぼくは1964年12月生まれなので、1967年10月から翌68年9月という「ウルトラセブン」の本放送時には2~3歳。ちょうど同じ頃に放送されていた「黄金バット」や「パーマン」のほうが好きだったようだ。 だから、セブンが記憶に残っているのは、おそらく小学生になってから見た再放送によってではないかと思われる。 いちばん強烈だったのは、ご多分に漏れず、第39話・40話「セブン暗殺計画(前篇・後編)」(注:「篇/編」の字は放送時のママ)。自称「いかなる戦いにも負けたことのない無敵のガッツ星人」という触れ込みどおり、分身の術でセブンを翻弄してエネルギー切れに追い込み、あろうことか空中に浮かぶ十字架に磔(はりつけ)にして、全国の子どもたちを絶望の底にたたき込んだ鳩頭の宇宙人、「ガッツ星人」の回だ。 夕日に照らされた山上の磔刑図──。あれほど恐ろしく、衝撃的で、しかも美しい映像を、いまにいたるまでぼくは
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 読者の皆さんは↑↑↑コレの存在に既にお気づきになっておられることと思います。Twitter(ツイッター) ですね。実は私も始めてみました。この連載本文に書けなかったことなど、今後Twitterの方で補っていこうかな、とも考えています。 さて、読者の皆さんはTwitterに関して、2つのグループに分かれるでしょう。第1はTwitterを既にお使いの方々、第2はあまり使っておられない方々。今回は、どちらかというとTwitterに縁が薄い「第2」の方を念頭に、しかし「第1」側のディープなユーザーの方にも、少しは新しい切り口で興味を持っていただけるよう、お話を準備してみたいと思います。 一歩先を行くユーザー:勝間和代と藤末健三 流行が既に社会現象化し
2月上旬、NHKのラジオセンターに衝撃が走った。 「どうやら民放が、ネットでのサイマルに踏み切るらしい」「何だそれ、聞いてないぞ」――。 マスメディア産業の一角が、ついに生き残りをかけて、重い腰を上げた。NHK以外の民放局である。受信料で成り立つNHKと民放とでは、それだけ危機感に雲泥の開きがあるということだ。 AM、FM、短波の大手民放ラジオ局13社は、3月中旬から、地上波と同じ放送内容をインターネットでもサイマル(同時)送信することを決めた。日本音楽著作権協会(JASRAC)や日本レコード協会といった権利団体とも合意を得た。2月中にも正式発表する。 パソコンなどから「RADIKO(ラジコ)」のウェブサイトにアクセスすれば、無料で地上波と同じラジオ放送を聴けるようになる。ただし、アクセス元のIPアドレスから住所を類推する仕組みを用いて、当面は首都圏と大阪府の利用者に限定する。 大手放送局
「テレビの友チャンネル Gガイド for Wii」には、ぜひ大きな注目を寄せておいてください。 これは3月4日に始まった、Wiiの新しいサービス。ここには従来のゲーム機の常識を大きく覆す、とてつもないポテンシャルが秘められています。 このサービスの特徴は、2つあります。 ひとつは、これが非常に使いやすい番組ガイドだということ。 画面には1週間分のテレビの番組表が表示され、きわめて軽快に眺めることができます。検索機能も快適。気になる番組に「スタンプ」を押しておけば、登録しておいた携帯電話やPCのメールアドレスに、その番組の開始30分前にお知らせメールが届くといった、細かいサービスも用意されています。 なお、日本中のユーザーが、そうやって注目番組をチェックしていくだけで、その情報は自動的に集計されます(その情報を提供しないよう設定することも可能です)。その結果、性別や年齢別に、どんな番組が注目
失敗した経験をどう評価するのか。 シリコンバレーのハイテクベンチャーの中枢にいる渡辺誠一郎さんのお話で、最も印象に残ったのは、日米の「失敗」に対する考え方の違いだった。 シリコンバレーでは、失敗した経験があること自体を、次の企業の採用担当者やベンチャーキャピタルなどが、1つのキャリアとして評価するという。しかも概念的に、哲学としてそれが理想だというようなものではなく採用などの面で評価するところが興味深い。 脳の学習理論としては、失敗と成功のメリハリの中から人は学ぶ。試行錯誤で学ぶしかないので、絶対に失敗してはならないということでは、学習のしようがない。失敗を許さない日本の企業経営の考え方では、ビジネスは学習することではなく別のものだと言えるだろう。こうしたところにイノベーションのスピードが大きくならない理由があるのではないか。 失敗が評価される仕組みは、広い意味での科学主義だと思う。ある証
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン かつて、アニメが好きだとオタク呼ばわりされました。いまでも熱心なアニメファンはオタク扱いされますが、しかし「機動戦士ガンダム(以下ガンダム)」だけは別格です。 テレビを見れば、キムタク、Gackt、西川貴教など、数多くのイケメン芸能人が、ガンダムへの愛を語り、ガンダム好き芸人が「誰が一番ガンダムファンか」を語り合っています。 ガンダムを愛し、ガンダムに影響を受けた、そんな彼らを「ガンダム男子」と名づけます。 上場企業の業績を左右する「ガンダム」 「機動戦士ガンダム」は1979年に放映されたテレビアニメです。 当初はあまり視聴率がふるわず、1年の放映予定が10カ月に短縮されたほどでした。 それが、アニメ雑誌で話題になり、再放送で人気に火がつき、
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