政府がお見合い会を主催しなければならなくなった国、シンガポールのケースを前回は見てきた。しかし、「笛吹けども踊らず」で、少子化対策に特効薬はないようである。 ASEAN(東南アジア諸国連合)で第2位の経済大国、さらにこれからも投資拡大が期待されているタイも、実は少子高齢化問題が重くのしかかってきた。 タイと言えば、日本と二人三脚で発展してきたと言ってもよいほど日本企業の進出が著しい。タイで大規模なデモが発生して放火されるような事件があっても、日系企業の入っているビルは絶妙に避けるとも言われている。 日本にとってもアジアの拠点として最も重要な国と言ってもいい。しかし、この国でも少子高齢化が急ピッチだ。いまや日系企業がタイに進出する際の問題は、賃金やカントリーリスクの上昇ではなく、実は人手不足(高度人材含む)にある。 あと15年で高齢者率25%に タイ国家統計局によると、2014年の60歳以上