1. 大都市への極化と個々の都市の盛衰 前編のモデルによる、日本の都市の盛衰を予測した結果について話します。まず、国全体を見渡したときに、各地の都市がどのように成長、あるいは衰退していくのかを俯瞰ふかんします。 都市数の変化 図1は、1970年〜2020年の都市数の実現値に加えて、全国の人口について3つのシナリオの下で、2025年〜2200年までの都市数の予測値を描いています。楽観的な高位推計の下では、都市は多く残り、低位推計の下では、より少数の都市が残る予測になっています。100年後の都市の数は、2020年時点の431に対して、中位推計の下で約2/3の269、低位推計の下で約半分の224まで減少する見込みです。 1970年〜2020年の都市数の減少の中には、大都市の平坦化によって、周辺小都市が飲み込まれることで都市の数が減る場合を含んでいます。1 この場合は、小都市のあった場所から人口が
