◇「効果不透明」疑問視も--今後の検証、重要に 過去の治水工事で直線化された釧路川の流れを元に戻そうと、北海道開発局が釧路管内標茶町茅沼地区で進めてきた「蛇行復元事業」が工事の最終段階に入り、22日、報道陣に公開された。すでに流れの切り替えをほぼ完了し、30年ぶりに昔の川筋がよみがえった。関係者は「これで釧路湿原の環境復元に弾みがつけば」と期待する一方、「本当に効果があるのか疑問」との声もあり、今後の厳密な検証が求められている。【山田泰雄】 同事業は03年施行の自然再生推進法に基づき、行政機関と住民、専門家で構成する「釧路湿原自然再生協議会」が検討を進め、開発局が06年度に着工した。総工費は約9億円で、73~84年に洪水対策のため河川が直線化された5・5キロのうち1・6キロを埋め戻し、三日月湖の状態で残されていた蛇行部分2・4キロを接続。適度に川をはんらんさせることで、乾燥化が進む湿原の再