おいしさをあらわす日本語ー食品のテクスチャーを表すことばー 食品総合研究所 食品機能研究領域食品物性ユニット 早川文代 はじめに 官能評価において、“かたい”、“こく”等、評価用語の選択は結果に大きく影響する。特に、テクスチャーは、味や匂いのような標準物質の設定が難しいことから、用語の重要性が高く、評価用語の選定は実験者および評価者の大きな負担となっている。かつて、吉川ら1),2)がテクスチャー用語を収集、整理しているが、この調査からすでに40年が経過し、現代日本人の食生活にそぐわない点もある。そこで、テクスチャー評価の際に活用できる新しい用語リストを作成した。 日本語テクスチャー用語の収集3) 2003年に東北地方、首都圏、京阪神地区、九州地方の4地点で、食品分野を専攻する研究者116人に自由記述式のアンケートを実施し、また、専門書や辞書類からも用語を収集した。さらに、テクスチャー研究者