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ブックマーク / shinka3.exblog.jp (7)

  • 性選択:美しいオスだけではなく珍しいオスもモテる | 5号館を出て

    動物の世界にはオスはメスに選ばれないと子供を残せないという厳しい現実があります。この話を女子大ですると必ず「ヒトではイケメンのオスがメスを選んでいるからそうではない」という意見が出てくるのですが、ヒトでもメスは子供を産みたいと思ったら相手になってくれるオスを選びさえすれば、どちらかに不妊症の問題さえなければ、必ず自分の子供は作れます。ところがオスの場合には自分の精子を受け取って子供を産んでくれるメスが見つからない限り、自分の子孫は残せないのです。 そこで、動物の世界ではメスに選ばれるためにオス同士が争ったり、オスがメスの好む形態に変化したりと、メスに選ばれるということを基準として起こる自然選択=性淘汰がしばしば見られます。孔雀などのトリやオスが派手な熱帯魚、オス同士が戦って一番強いオスがメスを総取りするゾウアザラシなどでは、メスをめぐる性淘汰が起こっていることが観察されています。 この性淘

    性選択:美しいオスだけではなく珍しいオスもモテる | 5号館を出て
  • 爪が残っていればヒトでも指は再生する | 5号館を出て

    今日発表されたNatureのオンライン版に、弘前大学出身で北大の私の研究室で博士号を取得、今はニューヨーク大学でポスドクをしている武尾真君を筆頭著者とする論文が出ています。 Nature Newsにも取り上げられているので、かなり注目度の高い論文です。 How nails regenerate lost fingertips Study of mouse toes reveals pathways that could offer clues for regenerating human limbs. 現象自体は研究者には結構知られていることなのだそうで、実験に使われたマウスと同じようにヒトでも指先を切断するような事故にあったとしても、爪がある程度残っていれば指先は「完全に」再生することが知られていたようです。 なんだ、それなら度々日テレビに登場し、BBCでも大々的に取り上げられたニュ

    爪が残っていればヒトでも指は再生する | 5号館を出て
    Asay
    Asay 2013/06/14
    余った皮から棒が再生できれば、もげても大丈夫なのかもしれない…
  • ついにミステリー・クレイフィッシュの種が同定された | 5号館を出て

    ではミステリー・クレイフィッシュと呼ばれて、今や時折ホームセンターですら売られていることがある、Marmorkrebs (marbled crayfish:大理石模様のザリガニ)は、ザリガニ類では種の同定に決定的に重要なオスの交尾器がわからないため発見から10年近くもたちながら、未だに種名が決まっていませんでした。 うちの研究室でも5年ほど前にいただいた3匹のメスから、どんどん増えて経代されて今日に至っています。半分冗談で、我々が種として記載して種名を決めようかなどと話していたこともあるのですが、この度ついに種名を決めた論文が出版されました。 Contributions to Zoology, 79 (3) – 2010 The enigmatic Marmorkrebs (marbled crayfish) is the parthenogenetic form of Procamb

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  • イギリス沿岸でシャチが種分化中(とBBCが言っている) | 5号館を出て

    BBCニュースで仕入れました。 Two killer whale types found in UK waters イギリス沿岸に生息するシャチに2つのタイプがあることがわかったという記事です。同じ場所に住んでいるのに、異なるグループとして認識されるということは、シャチ同士でそれぞれのグループを認識しているということになり、交配もグループ内で行われていることがはっきりすれば、それは生物学的には別種として区別されるということになります。 私のわずかな知識によれば、英米で killer whale (Orcinus orca) 殺し屋クジラと呼ばれているシャチ(これはアイヌ語だそうです)は、世界中で1属1種だけだと思っていたのですが、この記事とそのもとになっている雑誌 Molecular Ecology によれば、イギリス沿岸だけでもどうやら別種といえるくらい異なったシャチの集団が2つあるらし

    イギリス沿岸でシャチが種分化中(とBBCが言っている) | 5号館を出て
    Asay
    Asay 2010/01/07
    面白いなあ。コメント欄『「わかりやすい説明」と「生物学的厳密さ」とは、なかなか両立が難しいもの』にも同意。この場合は種という言葉がネックになるのか。
  • 飢えた子の前で科学研究は有効か | 5号館を出て

    「飢えた子の前で文学は有効か」 この言葉に初めて接した時に、人が単なる動物としてのヒトではなく、知性を持った人間であることの意味を考えてみろと言われた気がして、「大学生」になったことを実感した記憶があります。 最近ずっと考えているのが、「飢えた子の前で科学研究は有効か」ということです。 事業仕分け人たちがやろうとしていること、あるいは少なくとも建前として言っていることは、貧困国家である日でその貧困を解決するために、とりあえず税金を使って行う事業のうち、優先順位の低いものを仕分けていくということだと思います。 仕分けられる側が予算を主張するためには、その「論理」に対抗できるだけの「説得力のある理由」が述べられなければなりません。しかも、それがあらかじめ作文されたものではない証拠として、仕分け人と行う真剣勝負のディベートに勝たなければなりません。 全国あるいは全世界にリアルタイムで流されてい

    飢えた子の前で科学研究は有効か | 5号館を出て
  • カエルの電車ごっこ | 5号館を出て

    アフリカツメガエルを飼育している人にはおなじみの光景かもしれません。オスとメスと隔離して飼育していると、オスの水槽では時々おもしろいことが起こります。 オスが発情が最高潮に達すると、相手がメスでなくても抱きつくことが良くあります。これはオスがオスに抱きついたペアです。 一見、普通のオスメスのペアのように見えますが、抱きつかれている方の手のひらの内側が真っ黒になっているので、オスだということがわかります。 まあ、これくらいなら特にどうということはないのですが、時にはこんな電車ごっこになってしまいます。

    カエルの電車ごっこ | 5号館を出て
    Asay
    Asay 2009/01/27
    ドレミファれっしゃあるあるw
  • 中国産トキは移入種ではないのか | 5号館を出て

    Nipponia nippon ニッポニア・ニッポン というとてつもない学名を持つトキは、1995年に日国内での絶滅が確認されたトリです。大型で迫力のあるトリだとは思いますが、私にはそれほど美しいトリには見えません。顔が赤いのは、そこだけ羽毛がなく赤い皮膚が見えているからだそうで、その点は北海道のタンチョウの赤い頭が赤いのと同じですね。 そのタンチョウも、一時は絶滅したと考えられていたものが、地元住民の努力で持ち直し、今では1000羽以上にも増え、一部では「増えすぎ」という声さえ聞かれるようになりました。タンチョウの場合は、絶滅を免れた十数羽から個体数が持ち直したのですが、トキの場合は絶滅の危機が認識され保護が始まった時には100羽前後がいたにもかかわらず、それを絶滅から救うことができなかったということを厳しく認識すべきだろうと考えます。 乱獲や農薬などが絶滅の原因として指摘されています

    中国産トキは移入種ではないのか | 5号館を出て
    Asay
    Asay 2008/09/26
    トキの餌用に本土から移入されたドジョウのことも忘れないであげてください
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