この数日、ツイッターで相当の回数「拡散」されているブログ記事がある。「拡散希望です)大陸に出征した軍医さんへの命令書(未公開)2016.1.26」と題する約2年前のものだ。ケント・ギルバートや高須克弥のアカウントまで「拡散」に加わっている。 この「命令書」と「写真」の史料批判については専門家でもない私が口をだすことではないだろうが、歴史修正主義者の振る舞いという観点からみるといくつか興味深いところがある。 まず第一に、この記事に「南京大虐殺が存在しなかった写真つき証拠が発見される」というタイトルを付けて転載しているまとめサイトがいくつかあること。しかしこの写真、ブログ主は「南京の様子がアルバムに残っていました」としているけれども、誰が見ても南京とは似ても似つかぬ地方都市の風景である(注1)。「南京事件の証拠とされる写真が、南京で撮影されたものではなかった!」というのは南京否定論者が好んで主