世界と比べると極めて小さく、取り残されている──ここ数年、日本のアートマーケットに対する観測は悲観的な言葉で溢れかえっている。 実際、アート・バーゼルとUBSが発表した、2019年の世界美術品市場を分析するレポート「The Art Basel and UBS Global Art Market Report 2020」によれば、市場規模は641億ドル(約6兆7500億円)と推定されている。 一方、一般社団法人アート東京が発表した「日本のアート産業に関する市場調査2019」によれば、日本の美術品市場の規模は2580億円。世界シェアはわずか4%しかない。アートオークションの市場に限って言えば、市場規模は150〜200億円ほど。日本のアート取引市場のシェアは世界の1%以下、と更に低い数字となってしまっている。 映画業界も音楽業界も日本は“世界2位”のポジションを築いているにもかかわらず、アート業