さすらいの旅人のような雰囲気だった。時間になったころ、SEやきっかけの合図もなく、ふらりと現れたのが曽我部恵一。手にしたアコースティックギターを軽くチューニングして、やっぱり何か言うわけでもなく、さりげなく歌い始めた。 ◆曽我部恵一 画像 曲はサニーデイ・サービスの「シルバースター」。オリジナル曲はバンドの精神的な混乱期に作られているが、あれから20年、今、曽我部がアコギで弾き語りするのは、郷愁や切なさも感じさせるフォークスタイルのそれ。さらに曽我部恵一BANDからのロックンロール「天使」もフォークスタイルで聴かせる。曲のアレンジは全然違うが、クリーンでよく伸びる曽我部の歌唱に歓声と拍手も起こる。 「久しぶりに中津川に来て、最高っすね。随分前に、2回目ぐらいに出たの。そこから呼んでくれないのね、タイジ君(笑)。今日は中津川の素晴らしい空気を満喫したいと思います」 そこから「抱きしめられたい