最愛の人の死 会社の大先輩のOさんは、退職後に生まれ故郷の新潟に戻り、たまの用事で上京する時にお互いに都合が合えば近況報告をする間柄です。 先月上旬、Oさんが都内の病院で診察を受けた帰りに、一緒に昼食を摂りました。前回あったのは、3年ほど前。来年喜寿を迎える先輩の姿はその時より幾分小さく見えました。 Oさんは数年前から持病の白内障が悪化し、左目はほとんど視力を失っています。そこで私は、「そうなると、益々奥様が頼りですね」と言ったところ、「いや、あれは去年死んだ」とポツリ。余計な一言だったと私は絶句してしまいました。 思い返すと、Oさんとは私がまだ若い頃に同じ社宅に住んでいて、飲み会の帰りに誘われるままにお宅にお邪魔したことが何回かありました。いつも奥様は嫌な顔一つせず、手際よく酒の肴を作ると、酔っぱらったOさんと私に交じって一緒に飲み始めるような気さくな方でした。 仲の良いと言うだけでは表
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