なぜ、日本のITシステム開発は丸投げユーザー企業と御用聞きベンダーという相容れない組合せで成立していたのか? はじめに 日本のITシステム開発が丸投げ型のユーザー企業と御用聞き型のベンダーという相容れない組合せで成立していた理由は、両者の間に配置された 一人、多くても数人 の吸収役が矛盾のすべてを引き受けていたからです。本稿の結論はこの一点に尽きます。以下の議論は全部、この結論を補強するために並べます。 ここで扱う吸収役は、組織図に書かれた上流SEや業務SEの役割と重なる部分があります。重要なのは、彼らが制度的な工程分業の結果として配置されていたのではなく、契約書や組織図の外側で機能的に成立していた点です。「隠れた」という言い方がしっくり来ない読者は、契約関係の外側で実質的な設計判断を担っていた少数 と読み替えてもらって構いません。呼び名よりも、その人物が不在になると案件が止まるという属人

