国際政治経済学入門㊵ 日銀の量的引き締め 後遺症は? SANKEI EXPRESS 12月13日付けから 日本の株価は日銀が供給する金融の「量」に左右されている。「金融環境は極めて緩和的」と福井俊彦日 銀総裁は言っているが、実はそれは「低金利」のことで、逆におカネの供給を大幅に減らす「量的引き締め」の政策を続けている。日銀は2006年3月からそ れまでの量的緩和から一転して急激な量的縮小に踏み切り、株価はそれに引きずられるように大きく振れ、低迷を続けている。 ■ベースマネーの調整 グラフは、日銀が金融機関に流すおカネ「ベース(基盤)マネー」と東京証券取引所がまとめている加重平均株価の動向である。株価は明らかにベースマネーの増加とともに上昇し、縮小と並行して下がる傾向がはっきり読み取れる。 「ベースマネー」とは銀行など金融機関が企業や個人に貸し出す源泉になり、お札を刷る日銀が供