日銀は1月29日の金融政策決定会合で「マイナス金利」を導入した。日銀の当座預金を3段階に分け、それぞれの階層に0・1%、0%、マイナス0・1%の金利を適用する。 日銀当座預金への付利については、これまでも問題になっていた。先日の当コラムでは、付利をゼロ金利とする追加緩和策とする手があると指摘している。 黒田東彦(はるひこ)日銀総裁が国会で「マイナス金利を検討していない」と言ったことから、ほとんどの市場関係者の間ではノーマークだったようだが、「解散と公定歩合はウソをついても良い」とも言われてきたので、そのような人たちはプロとは呼べないのではないか。 今回の日銀の決定は、ゼロ金利ではなくマイナス金利まで踏み込んでいるので、この点を筆者は高く評価できる。 日銀当座預金への付利0・1%は、金融緩和効果を減殺してきた。黒田日銀以前は、国債買いオペの対象は中短期債であった。金融機関は低利の中短期債を日