臆病学者からは金融緩和が「極論」に見える――猪木武徳氏批判 小浜逸郎 今回の衆議院議員選挙で、国民の多くが民主党の大失政に愛想を尽かし、さりとて混乱に乗じて生じた「第三極」なるいかがわしい風向きにもそれほど煽られなかったこと、私個人はここに、日本国民の健全な良識が生きている一つの証拠を見る思いがいたしました。 ところで、元国際日本文化研究センター所長で現在、青山学院大学特任教授を務める経済学者・猪木武徳氏(そう、先ごろ亡くなったあの有名な猪木正道の息子さんですね)が、産経新聞12月20日付「正論」欄に「極論避け『より悪くない』選択を」という一文を寄せています。 私はまことに不勉強で、猪木氏のお仕事に触れたことがなく、彼がどういう経済思想の持ち主なのか、とんと知りません。そういうわけで、残念ながら今回もまた、わずか数枚の論考に口出しをすることになります。 なお、前回と今回と引き続き、産経新聞