<経済協力をしても北方領土を返すとは限らない、というロシア側の新たなロジック> 異例のブリーフィング 2017年6月15日、在日ロシア大使館と同武官室は、日本メディアなどを招いて異例のブリーフィングを行った。 「異例」というのは、ロシア大使館武官室がこのような会合を開催することが極めて珍しいためである。 武官室に勤務するロシア武官たちはロシア軍の情報機関である参謀本部総局(GU。従来は参謀本部情報総局=GRUと呼ばれていた)に所属する諜報要員であるとみられており、基本的にはメディアの前には姿を現さない。 これまでにも武官が日本のメディアに登場したのは、東日本大震災直後にロシア空軍機が日本周辺を飛行したことに対して釈明を行ったケースなど、かなりの重要事態に限られていた。 これに対して今回のブリーフィングではカメラを招き入れており、日本側に対して重要なメッセージを発しようとしたと考えられる。