格安航空会社(LCC)の国内最大拠点、関西国際空港が“LCC偏重”路線からの転換に躍起となっている。昨年度、国際線旅客数が過去最多となるなか、大手航空会社の就航便数を引き上げ、関空からの“離脱”の食い止めに動き始めたのだ。関空がLCC効果を契機に、さらなる飛躍を図っている。(中山玲子) ◆突然の方針転換 「今回は(国際線で)LCCを3割にする目標は掲げない」 平成27年夏期ダイヤを発表した、3月の記者会見。新関西国際空港会社の安藤圭一社長は強調した。LCCに特化した従来の路線から「LCCと大手航空会社の両方の便数を引き上げる」と方針の見直しを宣言したのだ。 これまでピーチ・アビエーションを手始めに、ジェットスター・ジャパンや中国・春秋航空の3社が次々と、関空を拠点空港に位置付け。ピーチなどが就航した約3年前から急速に利用者を増やしてきた。今年の夏期は、国際線に占めるLCCの割合が2