手軽な通信手段として1990年代に普及したポケットベルが再び脚光を浴びている。 使用する特有の電波「ポケベル波」が建物内でも届きやすい特性を持ち、避難情報などを伝える戸別受信機に活用されているためだ。大雨の時に防災行政無線の放送だけでは情報が伝わりにくいことが課題となっており、各地の自治体が期待を寄せている。 〔写真特集〕懐かしの携帯電話 「避難してください」。岡山県高梁市備中町地域にある民家。部屋に置かれた端末のランプが赤く点灯し、大きな音で緊急放送が流れた。外を走る広報車の音は雨にかき消され聞こえない。 同市は2017年度から、ポケベル波の戸別受信機の貸与を進めてきた。担当者によると、今年7月の西日本豪雨では住民から受信できないといった指摘はなく、「避難に大変役立った」との声も届いたという。 17年の九州北部豪雨で被害を受けた大分県日田市も「屋外スピーカーの放送は聞こえにくい」との声を
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