国立国会図書館による博士論文収集の現況と課題 関西館電子図書館課:渡部淳(わたなべ じゅん) 1. はじめに 2013年4月1日に、学位規則の一部を改正する省令(平成25年文部科学省令第5号)が施行され、博士の学位の授与に係る論文(以下「博士論文」という)は、インターネットの利用により公表することとされた(E1418 参照)。 国立国会図書館(NDL)は、電子形態で公表される博士論文について、学位授与機関からの送信による収集を2014年2月4日に、機関リポジトリからの自動収集を2015年2月1日に開始した。 本稿は、収集開始から3年が経過したのを機に、NDLにおける学位規則改正後の博士論文の収集状況を紹介するとともに、学位授与機関における博士論文のインターネットによる公表状況についての調査結果を報告する。 2. NDLにおける博士論文の収集 2.1. 収集方法 NDLは、学位規則改正後の博