これまで著作権法は、主にデジタルコンテンツ配信の面でブレーキになることが多く、それに対応する策が数々講じられてきた。しかしながら現状は、ネット権構想にしてもフェアユース導入にしても、いまひとつ具体的な成果や仕組みの転換にはさしかかっていない。 先日発表されたApple「iPad」をきっかけに、日本でも電子出版に対する機運が高まってくると思いきや、出版、特に雑誌、新聞業界の反応は冷ややかで、熱狂で迎えるとはほど遠い状況である。やはり既存インフラである紙の製本・出版・販売といったものへの影響を懸念しているのか、電子出版特有の値頃感とスピード感を出すまでにはなかなか至らないようである。 次いで筆者がもうひとつ懸念しているのは、著作権法による技術振興へのブレーキだ。今年1月に行なわれたInternational CES 2010では、東芝が米国向けCELL TV(日本名 CELL REGZA)に、
警察庁は2月4日、ShareなどP2Pファイル交換ソフトのネットワークを観測するシステムを導入し、1月1日から正式に運用を始めたと発表した。 ShareやWinnyなどのネットワークを巡回してファイル情報を収集し、分析・検索を行う。調査結果は捜査に活用する。 調査によるとShareには1日当たり約18万~20万台のノードが接続され、約95万個のファイルが公開されているという。流通しているファイルの内訳は、圧縮ファイルが約49.2%、動画が38.9%、音楽が4.9%、画像が2.9%、文書が2.4%。 昨年11月30日、Shareによる著作権侵害の疑いで10都道府県警が計11人を逮捕した一斉摘発以降、接続ノード数は約1割、ファイル数は約5万個減少。今年1月1日のいわゆる「ダウンロード違法化」以降、ノード数は約2割減っているという。 関連記事 ダウンロード違法化、Winnyノード数に影響なし S
複数のユーザーが、イラストや楽曲、編集技術を持ち寄って1つの動画を作るなど、ネット上での共同創作が広がっていることを受け、文化庁の諮問機関・文化審議会の小委員会傘下に設置された「契約・利用ワーキングチーム(WT)」で、ネット上の共同創作に関する著作権上の課題などを議論している。 政府の知財本部の専門調査会が昨年5月報告書(PDF)で、ネット上での一般ユーザーによる共同創作について、「権利管理ルールの明確化が必要」と示したことなどを受け、文化審議会著作権分科会法制問題小委員会傘下に昨年5月、WTを設置した。 座長は弁護士の末吉亙(わたる)さん。ドワンゴ会長の川上量生(のぶお)さんや、弁護士でクリエイティブ・コモンズ・ジャパン常務理事の野口祐子さん、ヤフー法務本部長の別所直哉さん、駒澤大学教授の苗村憲司さんなどが委員を務めている。 昨年8月から今年1月にかけて非公開の会合を3回開き、「UGC時
米著作権延長法がなければ、2010年1月1日に、007シリーズの「カジノ・ロワイヤル」やレイ・ブラッドベリの「華氏451度」はパブリックドメインになっていたのに――米デューク大学のパブリックドメイン研究センターはこのように嘆いている。 米著作権延長法は1978年に施行され、それまで「発行後56年間(最初に28年、更新すればさらに28年)」だった著作権保護期間を「作家の死後70年間」に延長した(法人著作の場合は発行後95年間)。この法律は、ミッキーマウスの著作権切れを防ごうとするWalt Disneyのロビー活動によるものだったと言われており、「ミッキーマウス保護法」との俗称もある。 この法律がなかった場合、1953年に出版された作品は2010年1月1日に著作権保護が終了していた。同センターはブログで、同法がなければ、今年多数の有名な作品がパブリックドメインになっていたと述べている。 例えば
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日本放送出版協会は11月13日、発売前の書籍をネットで無料公開する初の試みを始めた。公開するのは、ネットに代表される無料ビジネスの勃興を描く「フリー <無料>からお金を生み出す新戦略」。米国に続き、邦訳版でも無料公開を実施する。 同書は米Wired編集長のクリス・アンダーソンさんの著書。フリー(無料)とプレミアム(割増料金)を合わせた造語「フリーミアム」を新しいビジネスモデルとして提唱。基本サービスを無料とすることで集客し、その一部に有料版を提供することで収益を上げるサービスモデルだ。 邦訳版(1890円)を11月26日に発売するのに先駆け、特設サイトで本文の全文を1万人限定で無料公開する。メールアドレスを登録すると閲覧用PDFのURLが送られてくる仕組みで、保存などはできず、発売日までの有効期限が設定されているが、付録部分を除いた全文を読むことができる。米国では2週間で30万ダウンロード
「メーカーの主張は子どものわがままと同じレベルだ」――「Culture First」を掲げる権利者側の91団体は11月10日、私的録画補償金管理協会(SARVH)が同日、東芝に対して補償金支払いを求める訴訟を起こしたのを受けて会見した。提訴は「当然」とした上で、「補償金の原点に立ち返って議論を再開すべき」と主張している。 日本音楽著作権協会(JASRAC)常務理事の菅原端夫さん、実演家著作権隣接センター(CPRA)運営委員の椎名和夫さん、日本映画製作者連盟事務局長の華頂尚隆さん 補償金をめぐっては、文化庁傘下の私的録音録画小委員会などで議論が行われてきたが、メーカー側と権利者側の意見は対立し、すれ違ってきた。今回問題となっているデジタル放送専用DVDレコーダーに関しても、メーカー側は「課金対象か明確になっていない」、権利者側は「明らかに対象」と解釈。意見が対立している。 SARVHは、メー
ファイル共有ソフト「Winny」を開発・公開し、著作権法違反のほう助罪に問われた金子勇被告を逆転無罪とした大阪高裁判決を不服として、大阪高検は10月21日、最高裁に上告した。 今月8日の大阪高裁判決は、Winnyを公開した際に金子被告は違法公開に使わないよう注意喚起をしており、幇助罪は成立しないとして、有罪とした一審・京都地裁判決を破棄、逆転無罪判決を言い渡していた。 弁護団の壇俊光弁護士は、上告を受け、ブログで「もう一度全てを懸けて、もう一度無罪を勝ち取る」とコメントしている。 関連記事 NHK記者が公判中のWinny開発者に手紙「無罪主張なら減刑ない」 公判中のWinny開発者に、NHKの男性記者がインタビューを申し込む際、「インタビューに出て本音をさらせば執行猶予がつくのは間違いない」などとする内容の手紙を送っていたことが分かった。NHKは「取材活動として不適切だった」としている。
私的録画補償金管理協会(SARVH)は、デジタル放送専用DVDレコーダーの録画補償金を期限までに支払わなかったとして、東芝を相手取り、補償金支払いを求める訴訟を起こすことを決めた。提訴は11月ごろになる見通し。 東芝は、「現行法上、デジタル放送専用機器が補償金の課金対象かどうか明確になっておらず、支払い義務はない」と、2月に発売したデジタル専用機について支払いを拒否。SARVHは、「現行法上、デジタル専用機も補償金の対象で、文化庁も補償金の対象という見解を示している。支払ってもらわないと業務を遂行できない」と、提訴に踏み切ることにした。 東芝以外にも補償金を支払わないメーカーが出た場合、同様に提訴する方針。デジタル録画専用機はパナソニックも4月に発売しているが、東芝と同様、「補償金の対象か明確ではない」として販売価格に補償金を上乗せしておらず、来年3月の支払い期限までに支払わない可能性があ
EU(欧州連合)の欧州委員会は10月19日、大規模な書籍の電子化・配信に向けて取り組むことを明らかにした。 同委員会はこの日、書籍電子化に伴う文化的・法的な問題に取り組む提言を採択した。Europeanaなどの電子図書館で消費者や研究者に新たな知識の入手方法を与えるために、孤児作品(著作権者が不明な作品)の問題を解決する必要があるとしている。 提言書を記したビビアン・レディング委員らは、米国で進められているGoogleブックをめぐる訴訟の和解を取り上げ、欧州が後れを取ってはいけないと主張している。「迅速に行動すれば、競争を促進する欧州発の書籍電子化ソリューションが、米国のGoogleブックの和解案で計画されているソリューションよりも早く動き出すかもしれない」 それと同時に、書籍の電子化は「欧州の著作権法に則って行われるようにし、欧州の文化的多様性を尊重しなくてはならない」とも同氏は述べてい
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