先週、自動車部品メーカーに勤める知人が東京にやってくるというので、夕方に東京・白金のオフィスを少しだけ抜け出し、近隣のカフェでお茶を飲みながら雑談をした。折しも、タカタが欠陥エアバッグの問題で倒産した直後。話はおのずとその方向へ行った。 その知人がしみじみとこう言った。 「ウチも同じ部品メーカーだから他人事だとは思えなくて。起きたことは本当にいけないことだけれど、明日は我が身という気持ちにもなる。この問題は自動車業界全体に大きなインパクトを与えるのではないでしょうか」 「確かにそうかもしれないですね……」 記者も同意した。というのも、ちょうど本誌にタカタに関するニュース記事を書いたばかりで、その内容と知人が言っていることが合致していたからだ。記事のタイトルは「タカタ破綻で変わるサプライチェーン 部品業界に『三重苦』」。ざっと要約すると、こんな話になる。 部品メーカーが消費者対応する時代へ