◇盛岡 戦中戦後を語り継ぐ会会長・田端信吾さん(70) 田端信吾さん(70)は3年前に戦争経験を持つ数人の有志と「戦中戦後を語り継ぐ会」を設立した。講演会などを通して戦争の記憶を若い世代に伝える活動をしている。 軍の無線技師をしていた父の赴任先、満州で生まれた。6歳の時、母と弟の3人で引き揚げ船に乗り日本に戻った。途中で爆撃に遭ったほか、自決する人々を見た。 旧ソ連軍に抑留されていた父は、終戦から10年後に帰ってきた。父を思いやり、戦争の話題に自然と触れなくなった。そのせいか、所帯を持っても、子どもに記憶を伝えることはなかった。 だが、3、4年前に危機感を持った。孫娘が映画「はだしのゲン」を見たがらなかったためだ。「伝えるために何かしなければ」と思った。 自民、民主共に9条改正を主張する声があることに危うさも感じる。選挙を間近に、ある戦争経験者の言葉が浮かぶ。「ポツダム宣言を早く受け入れて