無二の存在感を放つ歌声とその佇まいで音楽シーンを走り続ける安藤裕子は、個人としての活動を控えたという2015年を、あえて「迷い道」と表現する。その理由、そこで感じたこと、見えたもの、人との交わりーーそれらは彼女にどのような変化をもたらしたのか。そしてそんな「迷い道」を経て臨む3回目の『Premium Live』はどのような内容になるのか。その歌声同様、奔放で繊細な魅力を放つシンガー・安藤裕子が語る。 ――1年の終わりに、弦楽器を入れた『Premium Live』をやるのが、ここ数年の恒例になってますね。 「2年前にBunkamuraオーチャードホールで、日フィル(日本フィルハーモニー交響楽団)にお誘いいただいて、指揮者の西本智実さんと一緒にやったのがきっかけなんですけど。オーケストラで歌う時には、全然違うんですよね。打点が」 ――打点、ですか。 「日本語は音の起点がはっきりしていて、歌うと