旧テレビ・オリジナル版の第壱話から第伍話までとまったく同じストーリーを、絵だけ新しくしたものらしい、という程度の事前情報で映画館まで足を運んだのだけど、なんだ、全然違うじゃないか、というのが、次回予告まで含めて、最後まで見た上で得た感触だった。それはそのはずで、同じことを二回やる必要などどこにもないのだし、やるなら違うことをやるはずだ。庵野秀明が試行錯誤の末にエヴァに戻ってきたのは確かだし、結局のところ庵野にはエヴァしかないのだろうとは思う。気が早い話だが、今回の新劇場版が終わってまた二十年後くらいに、三度目のエヴァを作りはじめてもおかしくないくらいだとそれは思う。けれど、さすがに庵野だってまったく同じものを二回作るはずはない。確かに、映画のストーリーはテレビ・オリジナル版を完全になぞったものなわけだし、とりあえず概略だけ説明するなら、ストーリーは同じで絵だけ違う映画と言うしかないだろう。