前回までのあらすじ) 先手番専用定跡s-book_blackが優秀すぎた。私が2年前に開発したテラショック定跡生成手法では到底太刀打ちできなかった。そこでやねうら王プロジェクトでは、新たにスーパーテラショック定跡生成手法というのを考案し、やねうら王に実装したのであった。 前回記事 : 先手番専用定跡s-book_blackの厚い壁 https://yaneuraou.yaneu.com/2021/11/01/thick-walls-of-s-book_black/ テラショック定跡生成手法のおさらい まず簡単にテラショック定跡手法をおさらいし、何が悪かったのかを書き、今回それをどう改善したのかを書く。 テラショック定跡は与えた棋譜の各局面に対して長い時間をかけて思考させる。1局面につき探索1スレッド×1時間でやっていた。1スレッドにしているのは、将棋ソフトは並列化効率が悪いからで、スレッド