ソニーのCMOSセンサへの期待 現在、日本の半導体産業において世界とまともに戦うことができているのは、東芝のNANDフラッシュメモリと、ソニーのCMOSセンサの2つである。CMOSセンサとは、スマートフォン(スマホ)等のカメラなどに使われる画像センサの一種である。 東芝は昨年発覚した粉飾会計の影響で、2016年3月期の連結決算で7191億円の巨額赤字を計上するに至った。東芝の事業のなかでは収益源だった東芝メディカルシステムズを6655億円でキヤノンへ売却したにもかかわらず、この体たらくである。今後のNANDフラッシュメモリの生産に、赤信号が灯った。 一方、ソニーのCMOSセンサは、米アップルのiPhoneに採用されたこともあって、売上高シェアで世界一を独走中である。アナリストやジャーナリストのなかでは、売上高で「ソニーが東芝を抜くのではないか」と予測する人が出てくるほど期待が高まっている。