数年前に仕事でタイに行ったとき、空いた時間に街をブラブラしていたとき、目ざとく日本人を見つけたおっさんが、「象のれるよ」と声をかけてきた。 特にやることもなかったので、ほな、まあちょっくらよばれてみますかなと象にのった。30分コースで2000バーツだか払って乗り場への階段をのぼる。既に象がスタンバっていて、2階からだとちょうど象の背中に乗りやすい高さに合わせてある。象の首あたりに少年が座っていた。なるほど、これが象のりの少年か。 少年に導かれるままに象の背につけられたベンチに座る。「象にのってるなあ」と思った。時折止まる象に少年は鎌を突き立て「進め、進め」と言っている。そんな光景を「象も大変でおますなあ」とぼんやり見ていた。 10分ほど象に揺られていると、少年は鎌を象の耳にひっかけ、懐から草とナイフを取り出した。そして草を器用にカットし、茎を巻きつけて見事なバッタを作った。できあがるとそれ