【独生独死独去独来(1)】 仏典に『独生独死独去独来』 (どくしょう・どくし・どっこ・どくらい) (独り生まれ、独り死す、独り来たりて 独り去る) とあります。 「人間はみな生まれてから死ぬまで連れのない一人旅だ」 と釈迦は説かれています。 こう聞くと 「そんなことないよ。おれには親も友人もいるし、恋人もいる。 けっして一人ぼっちじゃない」と反論される方もありましょうが、 ここで釈尊が「連れがいない一人旅」といわれているのは、 「心の連れがいない」ということです。 兄弟や恋人や家族などの「肉体の連れ」は、私たちにあります。 しかし「心の連れ」がいない、とお釈迦さまは説かれたのです。 「心の連れ」がいない、とは 【お互い心の底から分かり合える人がいない】ということです。 同じ屋根の下に住んでいる夫婦でも、住んでいる世界は違います。 夫は夫の生み出した世界に住んでいる。 妻は妻の生み出した世界