土地の魅力 ファン獲得 地方から良作と人材 空を見上げる少女の目は、前髪に隠れて表情を読み取れない。ハッピーエンドなのか、どうなのか。見る人に結末を委ねるような、2008年放映のアニメ「true tears(トゥルー・ティアーズ)」のラストシーンだ。 作ったのは、00年秋に南砺市城端の料理屋だった場所で産声を上げたアニメ制作会社「ピーエーワークス」(PA)。業界の9割以上が東京に集中するなか、地方からアニメを発信するという型破りの試みを始めた。 アニメ界は、90年代半ばの「新世紀エヴァンゲリオン」などのヒットを受け、民放の深夜枠を使った一般向けの作品が量産されるバブル時代に突入しようとしていた。手描き作業からデジタル化への脱皮も進んだ。業界として質の低下が危ぶまれていた。 PAは創業当時、社員は数人。いわゆる「下請け」だった。「外注スタッフに頼りながら、完全にキャパ(容量)オーバ
ファン歴4年のコバケーさん あ、ども、宇都宮の小林啓太(コ・バ・ケ・ー)っていいます。アイドルオタ歴4年です。え、年齢不詳? 学校行ってるってことで勘弁して下さい。 曲が始まりました。ミックス打ちます。行くぞ、タイガー! ファイアー! サイバー! ファイバー! ダイバー! バイバー! ジャージャー!…… 今日はホームなんで、率先して盛り上げないと。メンバーからも頼まれてますし。 きっかけはAKB48でした。もともとアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱(ゆう・うつ)」にはまって、秋葉原(ア・キ・バ)に行くようになったんですけど、たまたま買い物した建物の8階に「AKB劇場」ってのがあるのを見つけたんですよ。 まだAKBがオリコンで1位になる前で、一体何だろうと思ってロビーでモニターを見つめてました。ライブがひとしきり盛り上がった後、メンバーが劇場を出て行く観客一人一人と、笑顔でハイタッチを交わして
アニメ作品の舞台を巡る「聖地巡礼」を、地域おこしに生かそうとする動きが活発だ。新しい客層に戸惑いつつも、観光策とアニメのPRを兼ねたイベントを企画する。アニメは地域振興の起爆剤になるのか。県内の「聖地」を見てみた。 ■ラリーに行列 横須賀 「たまゆら〜hitotose〜」。横須賀市の京浜急行汐入駅近くの繁華街「ドブ板通り」に少女キャラクターが描かれたポスターやのぼりが並ぶ。「たまゆら」はtvkなどで放映中のアニメ。汐入駅近くで育ったカメラ好きの女子高生が主人公だ。 12日の昼時、友人と「巡礼」にきた東京都新宿区の会社員(27)は、作中に登場した駅舎の写真を撮った。「横須賀に来るのは生まれて初めて。これからアニメオリジナルのカレーを食べて、舞台になった神社や公園を歩きます」 製作会社の松竹からタイアップの呼びかけを受けた市は5月、商工会議所や京急と実行委員会を設立。10月の放映開始に
◇思い 早くも来年に/回収へ山の中に 秩父市吉田地区で9日に開催された龍勢祭。地元の男たちは30本の龍勢を打ち上げた。天高く白煙を伸ばして飛んでいくものもあれば、失敗して櫓(やぐら)付近で爆発するものもあった。 打ち上がった龍勢は近くの芦田山に落ちる。打ち上げの時、流派「愛火雲流」の男たちは見事な軌跡を描く龍勢に大はしゃぎしながらも、着地点を見逃さなかった。翌日、落ちた龍勢を回収するからだ。 深夜まで続いた祭りの後の宴会で二日酔いと寝不足だったが、翌朝、男たちと一緒に山に登った。普段は履かない地下足袋で、枝や岩を踏みつけると痛い。1時間ほど探し回ると、高さ約10メートルの木の枝に、筒を付けた矢柄や落下傘、ピンク色のテープなどが絡まっているのが見つかった。 手に負えない高さだったため、林業を営む男性を呼んだ。男性は木登りに使うかんじきや、腰に付けた2メートルほどのロープで、ひょいひょ
◆アニメの舞台で「祭り」再現◆ アニメ「花咲くいろは」の舞台になった湯涌温泉(金沢市)で9日夜、作品中の架空の祭り「ぼんぼり祭り」を実際に行う試みがあった。インターネットなどでその情報を知り、全国から「聖地」に集ったファンは約5千人(主催者発表)。山あいの静かな温泉街が、一夜限りの大きな熱狂に包まれた。 〜*全国からファン5000人「ぜひ来年も」*〜 祭りが始まった夜8時。温泉街を10〜20代の若者が埋め尽くした。着物姿の女児が先導する祭りの行列を何重にも取り囲み、カメラで熱心に撮影。主催者が配置した多数のスタッフが厳重に警備にあたった。 「これだけの人が集まったのは、湯涌の開湯以来かもしれない。ファンの皆様のおかげです。これからも色々なアドバイスを、ぜひネット上でいただきたい」 安藤精孝・湯涌温泉観光協会長が祭りの途中でそうあいさつすると、大きな拍手が沸き上がった。 アニメの
しょんぼりしてうつむいた少女のイラストがラベルに印刷された玄米酒が話題だ。少女を描いたのは福島県で被災した女性。快活な女性の絵にする予定が、震災のショックからか笑顔が描けなくなった。震災から半年が経ち、9月からの新たなラベルでは、少女ははにかんだ表情になり、少し元気が出てきた様子だ。 浜松市北区の大村屋酒店が発売した玄米純米酒「いけてない娘(こ)」。7月末に店頭とネット通販のみで売り出したにもかかわらず、1カ月で300本の注文が舞い込んだ。インターネットを中心に「癒やされる」と人気も上がり、「萌(も)える」ファンの心もくすぐっている。 同店を経営する久米久乃利さん(43)が企画した。磐田市の酒蔵から玄米酒を仕入れ、2月にネットでラベルの原画を募ったところ、福島県の女性から快活な女性のイラストが届いた。ところが、直後に東日本大震災に見舞われ、女性は被災。原画を保存していたパソコンは壊れ、
◆国内外から週末に1千人・新作紹介・原画展示・グッズ販売 日本を代表する文化に成長したアニメーションの情報を発信する「東京アニメセンター」(千代田区外神田4丁目)は、秋葉原駅前の複合ビル「秋葉原UDX」4階にある。国内外からアニメファンが次々と訪れる場所だ。 アニメの新技術の開発や海外発信を手がける日本動画協会が運営。館内の展示は、新作アニメを映像とパネルで紹介する常設コーナーと、特定の作品に焦点をあてる展示会がある。現在は、温泉旅館で働く女子高生の成長物語を描いた「花咲くいろは」の展示会が21日まで開かれ、作品の原画などを見ることができる。 関連商品の売り場はセンター内と、同じ秋葉原UDXの2階にもあり、アニメ原画やアニメの限定グッズなど品ぞろえも豊富だ。東日本大震災の被災地支援にも力を入れ、5月にはアニメソング歌手によるチャリティーライブを開催。サイン入り色紙やTシャツをオークシ
若者向けキャラクター小説「ライトノベル」のコンクール、「第10回スーパーダッシュ小説新人賞」(集英社主催)で、県立大学経済学部1年の畑俊行さん(18)が特別賞を受賞した。「読んだ人がちょっとでも元気になれる小説を書きたい」と意気込む。 もし自分が登場人物だったら――。子どもの頃から漫画やアニメを見て、そんな想像を膨らませた。中学2年で小説を書き始め、インターネット上に発表。寄せられた感想に「自分が認められたみたいでうれしくなって」と、次々と作品を書いた。今も作家志望の約30人とツイッターで作品を批評し合う。 葉巡(はまわり)明治の筆名で書いた受賞作『嘘(うそ)つき天使は死にました!(嘘)』は、400字詰め原稿用紙に換算して700枚を超える大作。福井市の啓新高校に通っていた昨年の夏から秋にかけて書き上げた。天使が「死の運命」にある主人公の青年を救い出すストーリーに仕立て、少しだけ感動のあ
登場の駅名 のと鉄道が看板 南砺の会社制作「花咲くいろは」 能登半島を縦断する第三セクター「のと鉄道」の西岸(にし・ぎし)駅(石川県七尾市)構内の看板が、今春から放映中のアニメ「花咲くいろは」に出てくる「湯乃鷺(ゆ・の・さぎ)駅」と付け替えられた。映画の舞台になった同駅をファンの新たな「聖地」にしようと期待がかかる。 「花咲くいろは」は南砺市城端にある制作会社「ピーエーワークス」が初のオリジナル作品として作った。東京から来た少女が、祖母の経営する石川県の温泉旅館で働く物語。作中で主人公の少女が最初に降り立つ駅として、その後は旅館から学校に通うための駅として、湯乃鷺駅が登場する。 西岸駅がモデルになっており、客の減少に悩むのと鉄道側が「アニメファンの聖地に」として協力した。1932(昭和7)年にできたという西岸駅の上りホームには駅名看板が1枚しかないが、それを「ゆのさぎ」にかけ替え
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