1966年の「袴田事件」で、検察側がこれまで「ない」としてきた主張を撤回し、一転して開示することになった写真のネガについて、静岡県警の大島典之刑事部長が28日の定例記者会見で、「静岡地裁の再審開始決定後に偶然発見し、東京高検に連絡した」と釈明した。 このネガは、犯人の犯行時の着衣とされていた「5点の衣類」を発見直後に撮影したもの。5点の衣類は、事件から約1年2カ月後に同県清水市(現・静岡市清水区)の現場近くのみそタンクから見つかった。地裁での再審請求審で、弁護側がこのネガの開示を求め続けたが、検察側は「存在しない」としてきた。 検察関係者によると、ネガは県警の施設内で発見されたという。しかし、大島刑事部長はこの日、ネガを発見した場所や経緯について「即時抗告審の審理に関わるので答えは差し控えたい」と説明を拒んだ。 弁護側は、ネガの発見経緯について「ひどい証拠隠しだ」と批判している。 今年3月