2011/6/1610:39 日本のモノづくりが抱える「6つの制約」 片岡剛士 今回はvoice7月号に掲載された、片山修氏の『自動車産業が日本を捨てる日』を紹介しつつ、日本のモノづくりが抱える制約条件とは何かという点から論じてみましょう。 ■トヨタによる問題提起の意味 2011年5月11日のトヨタ3月期決算説明会についての報道を覚えておられる方もいるでしょう。決算説明会ではトヨタ副社長の小澤哲氏が述べた発言が注目されました。 この発言に応える形で豊田社長はこう述べました。「モノづくりを守りたいという思いだけではやっていけないことは十分理解しています。世界の強豪と同じ土俵で戦えるような環境を整備してもらうことが、歯を食いしばって雇用を守って頑張っている製造業が望んでいることです」 以上の掛け合いは、2つの意味で重大な発言なのではないかと思います。 1つは日本のリーディング産業でかつ比較優位