現代日本の育児事情にはさまざまな側面がある。地域や所得、教育による違いも大きい。全体像を知ることは難しいし、それには統計的な調査も必要になる。というのは確かなところだが、それはさておき、日本人男性と結婚したフランス人女性が日本で出産して子育てをするという、ちょっと珍しい事例の物語を読むと、むしろその特異な事例によって現代日本の育児事情というものの本質がくっきり見えてくる。フランス人から日本の育児を見ると、その異なる視点から、日本人としては「ああ、育児というものは、こういうものなんだなあ」というのがはっきりわかる。そして、ちょっとびっくりする。つまり、この本はとても面白い。これから結婚や出産を考える日本の若い世代の人は、一読しておくと良いと思う。 話は帯にあるように、「日本人マンガ家と結婚したフランス人ママ記者による日仏子育て比較エッセイ」である。夫は、この本の表紙や挿絵を描いているじゃんぽ
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