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![むかしのマンガ (今年のサクラです) - サトウサンペイの「ジーの思い出し笑い」](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/f0a5c08ea1b63d25680d0934300976a4b2ffe9e4/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2Fp%2Fpanojikara%2F20120413%2F20120413110253.jpg)
アルシュ・サミット(1989年)があった直後、パリに行った。 ”新しい凱旋門”とも呼ばれるグランド・アルシュ(グランダルシュ)は、厚いガラスと大理石でおおわれた門の形をした白亜のビルだが、一辺の長さ110メートル、その中にはノートルダム大聖堂が、尖塔ともどもすっぽり納まってしまうほどの大きさだ。両側は35階建て、上の桁(けた)の部分でサミットが開かれたのである。 ビルの林立する新宿のような副都心に小高い丘を築いてアルシュを作った。 だから長い長いエスカレーターで登ってゆく。初めは丘の中で薄暗く、だんだん明るくなり、青空が見え、顔が地上に出ると、広場の向こうに白く輝くアルシュが見えた。 そのとき、僕の首、肩、腕が、ジーンと強くしびれた。よほどの感動である。あとは吸い寄せられるようにアルシュ広場の上をフラフラフラと歩いていた。 近づくにつれ顔が上向き、グランド・アルシュが僕の視界いっぱいになっ
イル・ド・フランスの白い一本道 パリに行ったとき、朝日新聞の文化特派員だった根本長兵衛さんにドコカを案内してもらうことになった。心の温かいユーモアのある人だ。編集委員や論説委員もされ、「企業メセナ」の初代専務理事となり、文化交流にたいへん貢献された。僕より3,4歳年下、今年1月4日に逝去された。 あのころは僕も若くて元気だった。根本さんが「まだ見ていなければ、シャルトル大聖堂がおすすめ」と言われた。 パリから南西に80キロ。根本さん運転のクルマで行く。パリ市街を出るとすぐ、イル・ド・フランスの広大な緑と黄色の畑となり、これが果てしなく続く。フランスは農業国だ。エッフェル塔とムーランルージュだけでは気がつかぬ。 お天気はいいし、助手席でぐっすり眠りこんでいると、肩を小突かれて起こされた。白い一本道の先、丘の頂上に何かポツンと尖った物が2本現れ、やがてその全容を現す。「ワーッ! でっかーい!」
豪華客船で行く世界一周旅行。客はヒマもお金もある定年後のご夫婦が多いそうだ。 しかし、3か月間も同じ船室で顔を突き合わせているのだから、夫婦げんかをこじらて、洋上地獄になる場合もあるらしい。 「次の港で降りますっ!」といっても、あとの船賃は返してもらえないし、次の寄港地から一人で電車かバスに乗って、国際線のある空港へ行き、日本への乗継便を探してチケットを買うのは大変ですね、というと、たいていあきらめるそうだ。 で、辛抱の末、「ヨコハマ離婚」や「コウベ離婚」となる。世界一周クルーズ、お幸せなご夫妻ももちろん多いが、ま、そうひがむこともないか。 それはそうと、こういう船を東北の海岸に何隻も停めて、避難所や病院や集団移動の船にしてもらえるとありがたいなあ。水も食料も湯もあるし、暖かいし。バーもあるし。
今や、良寛さんを知っている若者は少ないと思う。「子供たちと、ひい、ふう、みー、よー、と手まりをついて遊んでいたお坊さんよ」といっても、わからないだろう。 そこで新潟県が、今こそ必要な「良寛さんのこころ」をひろめようと、毎年、2月11日の良寛忌(新暦)にシンポジウムを開く。ずっと前、僕もいちど招かれたことがある。 「欲を無くせば一切足り、欲する有りて万事窮す」と、その教えは、聴くだけでもすがすがしい。歌や詩、書も素晴らしい。良寛と同時代に生きた夏目漱石もその書をほしがったという。 今なら高度な印刷技術で本物そっくりの書をたくさん作れるから、それをネットで安く売ってほしいな。良寛の書を独占している方々、いかがでしょうか。 良寛さんにインタビューしたら、「元は、タダか、わずかな酒ほしさで書いたもの。印刷しても良、良!」とおっしゃるだろう。
The End ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ 長い間、このブログ「ジーの思い出し笑い」をごらんいただいた方々に心からお礼を申し上げます。 ブログをやり始めたのは、79歳ごろ。それが今は84歳。皆さまも80歳になるとわかりますが、すぐ横になりたくなる。記憶力が落ちる。 まあ、こういうわけで思い切って、今年で「ジーの思い出し笑い」をやめさせていただこうと思います。どうぞお許しください。 来年は母校の京都工芸繊維大学の「美術工芸資料館」で「サトウサンペイの世界 4コマから切り取る昭和」という展覧会を開いてくれるそうです。入場料:200円 安い! 期間 5月26日(月)〜8月9日(土)。講演:6月8日(日)午後3時〜5時半 短いコメントでも、息がかかるように心が通じます。若い息吹を与えてもらったような気分。皆さま、ほんとうにありがとうございました。 どう
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