二十歳の自分を思い出すことはほとんどありませんが、メールで届いた信濃毎日新聞の記事を読み、思い出しました。私はあれからも、小さな世界で小さなことを重ねながら生きています。記者さんの言葉は、そのことが、無駄ではないかもしれないと思わせてくれる。この活動が、広い世界のどこかで、血の通った誰かとつながっている、その誰かの存在を感じる記事でした。 二十歳の人たちを励ます内容だろうに、今の私を励ましてくれた記事でした。本を読み、共振してくれたことも、嬉しいです。 私は、諦めません。 永野三智 1月13日 信濃毎日新聞社説 <成人の日を前に 足元で振動を起こそう> 熊本県水俣市。不知火海を望む高台に「相思社」はある。 水俣病の被害者たちのよりどころとして設立されたこの施設で、職員の永野三智さんは訪れる人と向き合い、語る言葉に耳を傾けてきた。昨秋、出版された本「みな、やっとの思いで坂をのぼる」は、その記