秋田県小坂町が、かつて「鉱山鉄道」として町民に親しまれた小坂鉄道を観光振興に生かそうと知恵を絞っている。廃止となった後も機関車や線路などは残っており、町は旅客列車の運行再開も含めて再生の可能性を調査中。ただ再び列車を走らせるには財政面の負担が大きく、「鉄道復活」への道のりは険しそうだ。 町は約300万円の予算をかけて、鉄道再生について、主に(1)大館―小坂間の全線での運行(2)小坂駅からの一部区間の運行(3)小坂駅構内に限定した短距離運行―の3パターン別に費用や集客見込みを試算中。来年3月までに、具体的な活用策を示す方向で検討している。 町産業課の近藤肇参事は「小坂鉄道は、町にとって重要な『産業遺産』。何とか再び機関車を走らせたい」と強調する。町では、国重要文化財の小坂鉱山事務所や芝居小屋の「康楽館」など、鉱山関連の産業遺産が観光拠点となっており、鉄道も新たな見どころとして加えたい考え