【嶋田圭一郎】存廃問題に揺れる四日市市の近鉄内部(うつべ)・八王子線(7キロ)をめぐり、三毛猫「たま駅長」を起用した和歌山電鉄貴志川線(和歌山市―和歌山県紀の川市、約14キロ)の再生で知られる両備ホールディングス(岡山市)の小嶋光信会長(67)が31日、四日市市議会で「年間360万人の利用者のうち、半数が通学で頼る路線。何としても残さないといけない」と語った。 年3億円の赤字を抱える内部・八王子線の存続策を検討している市議会の総合交通政策調査特別委員会が招いた。 小嶋会長は「公共交通を民間事業者に頼っているのは、先進国でも日本だけ。行政や市民ら公共が支えない限り、地域の公共交通は維持できない」と訴え、経営を民間事業者に任せきりにしている意識を変えるよう呼びかけた。 両備ホールディングスが再建した貴志川線は、南海電鉄が2004年、国に廃止を届け出た路線。赤字額は年間5億円にのぼったが、
◆明知鉄道 「達人の見どころ」 ◆歯科医院・温泉…主要駅に施設誘致 JR中央線恵那駅と駅舎がつながった恵那駅と明智駅を結ぶ25・1キロの鉄道で、国鉄明知線として1934(昭和9)年に開通した。二つの小分水嶺(ぶん・すい・れい)を越える急勾配と曲線の多い典型的な地方交通線である。国鉄改革時に県、沿線市の出資する第三セクター鉄道となり、「住民鉄道」として脱皮すべく、地域をあげてその活性化に努めている。 まず主要駅に、要介護・看護の高齢者専用住宅を備えた複合福祉施設、歯科医院、温泉などの施設を誘致した。とくに近くにスーパーが開設されたのに伴い、極楽駅(一般公募で命名)を新設した。縁起の良い駅名が人気を呼び、極楽(駅)行きの切符を求めて多くの人が訪れる。 郷土料理が楽しめる専用運行のグルメ列車が好評だったので、昨年からこれを食堂車扱いにして一般車両1両を連結した急行列車(大正ロマン号)に
【大久保貴裕】来春から秋田新幹線に仲間入りする新型車両「E6系」の名前が「スーパーこまち」に決まった。新型車両の愛称は通常、公募してデビューの1年ほど前に決まる。その後、観光キャンペーンなどで名前を売り込んでいくが、今回は公募をしないうえ、走行の4カ月前になっても決まらず、関係者をヤキモキさせていた。そして決まったのが「スーパーこまち」。なぜ、この愛称になったのか――。 鮮やかなあかね色の新型車両の愛称は? 「おばこ」「たざわ」など、さまざまな名前が言われた。中でも街で「有力視」されたのが「なまはげ」だった。 秋田市内で昨年11月に車両が公開された時は、子どもが「E6系」を見ながら「『なまはげ』になるんでしょ」と話す姿も。ある県幹部も発表前、「誰もがすぐに秋田と分かる名前は『なまはげ』しかない」と話していた。15年前の開通時の愛称公募でも「なまはげ」は上位だった。 今回は公募もなく、
北九州市内を走る北九州モノレール(小倉―企救丘、8・8キロ)に19日、北九州市立大をPRするラッピング車がお目見えした。片方の側面が濃紺、もう一方が緑で、キャンパスの写真とともに「グローバル人材育成」「環境研究・人材創造」などをうたう。 同モノレールのラッピングは地方銀行など企業が広告に活用する例が多く、大学、学校関係は初めて。 市立大広報入試課によると、入試のシーズンを控えて、受験生や保護者にPRするのが目的。この日、小倉駅であった出発式には近藤倫明学長が出席。大学内を案内したり、出身高校を訪問したりする「北九大魅力発信プロジェクト」を担当する学生らがラッピング車を見送った。(荻野好弘)
早朝のJR高崎駅。首都圏に新幹線通勤する人たちが、足早にホームに向かう。ほぼ10分おきに発車する東京行きの上越・長野新幹線。その中に、午前6時台に2本、7時台に1本、高崎駅始発の上越新幹線「たにがわ」がある。 自由席に必ず座れるとあって人気が高い。6時53分発に乗り込んだ大手金融機関勤務の男性(51)は、子供が小学校に入った10年ほど前、高崎に家を買って以来、新幹線通勤だという。 「夫婦とも県内生まれ。以前は都内や海外に住んだが、子どもには転校させたくなくて。新聞をじっくり読めるし、助かります」 2階建て16両の座席は、グリーン席を除き、高崎で半分ほどが埋まった。 1982年11月15日に上越新幹線が開通し、高崎市周辺は首都圏への通勤圏になった。駅周辺の再開発や企業誘致にもつながった。スキー場や温泉地に観光客を運び、県内は大きな恩恵を受けてきた。 その上越新幹線が近く、転機を迎え
■園児ら見送り 岡山駅で出発式 JR四国が運行するアンパンマン列車のデザインが一新され、9日に岡山駅で出発式があった。岡山市北区の若草保育園の園児35人がアンパンマンのテーマソングなどを合唱し、松山へと向かう予讃線の特急「しおかぜ」を見送った。 アンパンマン列車は2000年に土讃線でデビューした。今回、塗り替えられたのは岡山―松山を結ぶしおかぜなどに使われる11両。各車両にドキンちゃん号やメロンパンナちゃん号などキャラクターの名をつけて、それぞれのイメージカラーで「ANPANMAN」の文字が描かれている。(神田剛)
東急とJRが交差する溝口(みぞのくち)。ここは江戸時代、東京・赤坂から丹沢連峰の大山(伊勢原市)へお参りする「大山街道」の宿場町だった。通ったのは参拝客だけでなく、秦野のたばこや、近くでとれた新鮮な桃や梨なども二子の渡しから船で多摩川を渡り、江戸へと運ばれた。 JR武蔵溝ノ口駅を降りて5分ほど北に歩くと栄橋交差点にぶつかる。そこを右に曲がれば多摩川へ向かって街道が延びる。車通りが激しい道路沿いに低層のマンションやビルがひしめく。昔の灯籠(とう・ろう)をイメージした街灯がなければ、江戸時代に東海道の脇往還道として栄えた往時をしのぶのは難しい。 * 明治から大正にかけ、溝口を田山花袋、島崎藤村ら自然主義の作家が訪れた。国木田独歩の「忘れえぬ人々」の舞台でもある。「作家たちは急速に都市化していく東京ではなく、風情のあるローカルな武蔵野の雰囲気にひかれたのかもしれません」と郷土史家の鈴木穆(
2014年度中に予定されるJR常磐線の東京駅乗り入れに備え、1本でも多くの列車の乗り入れを目指す大会が8日、土浦市のホテルで開かれた。県や沿線自治体、議会、経済界の関係者ら約200人が、JR東日本への働きかけと常磐線の利用促進に一層取り組むことを確認した。 県常磐線整備促進期成同盟会などが主催し、昨年に続いて2回目の開催。会長の橋本昌知事は「常磐線の利用者は、たとえば水戸駅では3万7千人だったのが2万7千人に減った。JRに働きかけるためにも、もっと利用する機運を盛り上げなければならない」と理解と協力を呼びかけた。 続いて鉄道の専門家が講演した。統計では平日に県内から東京への鉄道利用率が33%なのに対し、東京から県内へは12%にとどまることを課題に挙げた。
紅葉に染まる大歩危峡を、旅情をくすぐる「特別色」の列車が走る。18日には、四国でも数少ない「たらこ色」のディーゼルカー。土日祝日にはLEDに輝くトロッコ列車が運行を始めた。 秘境駅の坪尻と今月開業77年を迎える大歩危駅をめぐる臨時列車「たらぼけ号」。JR四国に1編成しかない「たらこ色」で、全国でも数少ない登場当時のままのキハ47形ディーゼルカー(2両編成)だ。 阿波池田駅を18日午前9時半に発車。JR土讃線を坪尻で折り返し、大歩危には正午過ぎに到着。午後3時17分に大歩危を出て同4時6分に阿波池田に戻る。 高松市の鉄道カメラマン、坪内政美さんが鉄道ファン向けに企画し、JR四国が実施している「どつぼ列車」の第7弾。途中、列車の写真撮影や大歩危温泉への日帰り入浴をしたい参加者のために、貸し切りのボンネットバスを走らせ、一部区間でJRのトロッコ列車にも乗車可能という。 参加費は大人777
■札幌市電が走る街 今昔 未来をめざす北の都 定点対比 札幌LRTの会《編》 ■移り変わり 写真とともに 環境にやさしい交通として各地で路面電車が見直され、札幌市も市電の延伸方針を打ち出している。 札幌では最盛期には路面電車の路線が25キロあったが、地下鉄開業後に廃線が進み、74年以降は1路線8・5キロが運行するのみ。なくなった路線も含め、札幌の路面電車と街の移り変わりを豊富な写真とともに紹介した本だ。 現在ある西4丁目―すすきの間のほかに、道庁前―苗穂駅間をつないでいた苗穂線や豊平線、中島線、鉄北線など各路線の現在と昭和40〜50年代ごろの様子を、同じアングルから撮った写真を並べて掲載。木造住宅が立ち並び空が広い昭和のレトロな風景と、マンションや高層ビルが林立する近年の市中心部など、街並みの変貌(へんぼう)ぶりが興味をひく。そんな街を走るアマガエルのような緑色の電車の姿は、札幌
宇都宮市長選が11日に告示される。いまのところ、3選を目指す現職の佐藤栄一氏(51)=自民、公明推薦=と、新顔で学習塾経営の河内宏之氏(62)が、ともに無所属での立候補を表明しており、一騎打ちとなる公算が大きい。前回の市長選に続き、次世代型路面電車システム(LRT)の導入の是非が最大の争点になりそうだ。 佐藤氏は前回、LRTについて「導入はまだ白紙状態」と慎重な姿勢だったが、今回は公約にLRTの整備を明記した。高齢化社会が進むなかで、車の運転ができなくなる人が増えるとし、「公共交通で守られた宇都宮を急ピッチでつくる」と強調する。予約乗り合い方式のデマンドタクシーの導入や路線バス網の新設など地域の交通網も充実させ、誰もがどこへでも移動できる公共交通網をつくりたいとしている。 河内氏は、立候補を表明した当初は教育改革を打ち出した。しかし、「最大の争点はLRTしかない。目の前の現実問題として
■来年へ向け函館市、PR準備 観光名所を巡るように走る函館市電が来年、開業100年を迎える。温泉地やJR函館駅前を通る2系統計10・9キロを走り、除雪用の「ササラ電車」といった季節の風物詩でも知られる路面電車だが、マイカーの普及以来、利用者の伸び悩みが続く。乗客増につながるきっかけになればと、市による記念ロゴや展示といった記念事業が動き始めている。 ■車両に記念ロゴ/イベント活用も 函館市電は現在、30両が6分間隔で運行。スタートは1913年6月29日で、東雲町―湯の川間で走り始めた。 国土交通省地域鉄道支援室などによると、全国で走る19の路面電車のうち、早稲田―三ノ輪橋間を走る都電荒川線と軌道幅が1372ミリで同じ。そのおかげで26年に車庫火災で車両31両、34年の函館大火で車庫と車両48両が焼けた際、東京市電気局(現在の東京都交通局)から中古車両を購入し、1年余りでほぼ復旧させ
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