JR西日本が運行する蒸気機関車「C57形1号機」の基幹部分の修繕が終わり、17日朝、所属する梅小路運転区(京都市下京区)に戻った。早ければ今年夏、山口県で「SLやまぐち号」として運行を再開する。1号機は1937年製造で、洗練された姿から「貴婦人」の愛称で親しまれている。今回の修繕は4年に1度、1万点以上の部品を調べる「全般検査」で、昨年秋から1号機の背骨に当たる「主台枠」やボイラーを専門会社が補修した。この日、同運転区では大型クレーン車が貴重品を取り扱うように、ボイラーを主台枠に据え付けた。
JR西日本は12日、4月6日に閉館する交通科学博物館(大阪市港区)で展示中の蒸気機関車・義経号を京都市下京区のJR西・梅小路蒸気機関車館に移し、10月にも同館で走らせると発表した。義経号が走るのは1997年の京都駅ビル開業イベント以来、17年ぶりとなる。 義経号は1880年に米国で製造。煙突の一部が膨らんだ形で、先頭部には牛よけ用の大きな三角形のガードが付いている。同年から北海道で走り、1991年から交通科学博物館が保存展示している。同博物館が保存している21車両のうち、移設先が決まったのは初めて。4月中に梅小路運転区に運び、約半年かけボイラーや車体、車輪などを整備する。梅小路蒸気機関車館は2016年春に京都鉄道博物館に刷新される。
財布に入れて改札通過 乗り越し精算で小銭不要 関西の鉄道各社が、他社の路線を乗り継ぐ「連絡定期券」で、IC※カードの導入を進めている。主流だった磁気カード定期券に比べて乗り越し精算などが楽になるのが利点だ。各社は関西でIC乗車券の普及率を高めるきっかけにもなると期待している。 新今宮(大阪市)など4駅で接続するJR西日本と南海電気鉄道は14日、JR西のICカード乗車券「ICOCA(イコカ)」と関西私鉄の「PiTaPa(ピタパ)」で、連絡定期券の発行を始める。河内長野駅(大阪府河内長野市)で接続する近畿日本鉄道と南海も同日から取り入れる。 IC乗車券は財布などに入れたまま改札を通過でき、電子マネーを補充しておけば、乗り越し精算時に小銭で支払う必要がないなど利便性は高い。ただ、IC乗車券の普及率が首都圏で8割を超えるのに、関西は3~5割にとどまる。 鉄道路線が多く相互乗り入れが進んだ首都圏で
奈良市と京都府木津川市は、明治時代に両市の9・9キロを結んだ「大仏鉄道」の沿線にある遺構の周辺を整備し、観光客の誘致に乗り出す。100年以上前にわずか9年間の運行で廃線になったが、石積みのトンネルなど当時をしのばせる鉄路の跡が残る。両市は「明治のロマンを感じさせる遺構の数々を観光資源に生かしたい」としている。 大仏鉄道は1898年、三重県四日市市の鉄道会社「関西(かんせい)鉄道」が名古屋方面からの乗客を運ぶため、奈良市の東大寺・転害門(てがいもん)の西約1キロにあった大仏駅と木津川市の加茂駅(現JR加茂駅)を結ぶ8・8キロで開通。英国製の蒸気機関車を走らせ、翌年に奈良駅(現JR奈良駅)まで延伸した。 年間十数万人が利用したが、奈良―加茂を結ぶ別の路線が新設され、1907年に運行が廃止された。 沿線には現在も、農道や水路をまたぐレンガ造りの橋、トンネルなど、12か所に遺構があり、地元の「大仏
点検中の蒸気機関車のボイラーの前で、打ち合わせをする颯波社長(右)と基一さん(昨年12月、大阪市北区で)=伊東広路撮影 蒸気機関車(SL)を観光資源とする動きが各地に広がる中、SLのボイラー修繕を国内で唯一請け負う大阪・中津の町工場が、奮闘を続ける。 JR東日本が東日本大震災の復興支援として、今春から岩手県で走らせる観光列車「SL銀河」の牽引(けんいん)機「C58形239号機」も蘇(よみがえ)らせた。女性社長以下社員7人の町工場が、技術力で、人々がSLに託す希望を下支えする。(児島圭一) 町工場は、淀川沿いのボイラー製造会社「サッパボイラ」。1918年創業で、社長は颯波(さっぱ)郁子さん(52)。2001年から家業の同社で経理を担当、昨春に父基一(もといち)さん(87)の後を継いだ。 SLは、石炭を燃やしてボイラーで水を熱し、発生した蒸気が動力となる。約200年前、英国で発明されてから原理
国内で唯一現存する紫電改。1979年に海中から引き揚げられ、愛媛県が展示している(愛媛県愛南町の紫電改展示館で) JR西日本の交通科学博物館(大阪市港区)中庭に展示されている蒸気機関車の動輪が、太平洋戦争末期、兵庫県加西市で脱線転覆した車両のものであることがわかり、同市が近く、JR西に長期貸与を申し入れる。事故は旧海軍の戦闘機「紫電改(しでんかい)」が不時着して線路を破損したのが原因で、74人が死傷する惨事だった。「動輪を現場近くに展示し、平和の尊さを後世に伝えたい」。そんな市民らの思いが、市を動かした。(今村正彦) 動輪は小型機関車「C12形」のもので、直径1・4メートル、重さ約2・3トンの鉄製。JR西は4月に博物館を閉館し、再来年春に開館する京都鉄道博物館(京都市下京区)で現在と同様、機関車D51や新幹線の動輪と一緒に展示する予定という。 事故は1945年3月31日、国有鉄道の北条(ほ
大阪府が泉北高速鉄道などを運営する第3セクター「大阪府都市開発」(OTK、和泉市)を米投資ファンドに売却する議案が16日、府議会の都市住宅常任委員会(13人)で、反対多数で否決された。公明、自民、民主、共産の計6人のほか、会派として賛成を決めている大阪維新の会(7人)の1人が反対した。議案は同日午後の本会議で採決されるが、過半数を占める維新内の造反は少数にとどまる見通しで、可決の公算が大きい。 OTKについては、公募で最高の約781億円の購入額を提示したローンスターが売却先に選ばれたが、720億円で次点だった南海電鉄が、乗り継ぎ運賃の値下げ額をローンスター案(10円)を大幅に上回る80円と提案。委員会では公明(3人)、自民(1人)、民主(同)、共産(同)が、ローンスターの値下げ額を不十分などとして反対した。 維新は「一番の高値(での売却)は府民全体の利益になる」と議案への賛成を表明したが、
大阪府が泉北高速鉄道などを運営する第3セクター「大阪府都市開発」(和泉市)の株式売却先に米投資ファンド・ローンスターを選んだことを巡り、同社の提案内容では運賃値下げが不十分と反発の声が出ていることを受け、大阪維新の会府議団は13日、沿線自治体の堺、和泉両市を訪れ、さらなる値下げを実現するための財政負担を求めた。 堺市では、維新側が「市民サービス向上のために負担を」と要請。これに対し、竹山修身市長は「通学定期については、子育て支援の観点から新事業者と協議して一定の負担をする考えはある」としつつも、「(米投資)ファンドのサービスが低いのを埋め合わせるために、財政支出をすることはできない」とした。 和泉市の辻宏康市長も維新側との面会終了後、報道陣に「市民の利便性向上のため協力は惜しまないが、財政負担をすることはできないと説明した」と述べた。 ローンスターは、株式の購入価格を約780億円とし、通学
JR東海が計画するリニア中央新幹線の駅誘致に、京都府・市が躍起になっている。「奈良市付近」となっている現行ルートに対し、「京都の方が経済効果が高い」と変更を訴えるが、奈良側は「もう決まったこと」と取り合わず、むしろ県内の誘致合戦が過熱する。リニア誘致を巡る古都のさや当ての行方は――。 「リニアを、京都へ。」「このままでは京都を通りません」 買い物客や観光客らが行き交う京都市営地下鉄四条駅。21日から、府や市、府商工会議所連合会などでつくる協議会がエスカレーターに掲示した広告には、リニア誘致を呼びかけるキャッチフレーズが躍る。年末まで掲げられ、市バスの車体広告などでもPRする。 国は2011年5月、災害時に東海道新幹線に代わる大動脈を確保する狙いから奈良ルートとする整備計画を決定。京都誘致を目指す同協議会は1990年の設立後、休眠状態だったが、東京―名古屋間が着工される14年度をタイムリミッ
長野から金沢まで延伸し、2015年春に開業する北陸新幹線の列車名がJR西日本、東日本による公募で決まって約1か月。東京―金沢間を約2時間半で結ぶ看板列車「かがやき」などの列車名にちなみ、地域を売り出す企画も動き出した。(児島圭一) チャンス到来 石川県加賀市内の商店主らは10年、開業に向けて町おこしグルメ企画「加賀のかがやき」を始め、「あぶり鴨(かも)」など名物の焼き料理約50品目をPR中。偶然列車名が同じになり、名物を集めた駅弁作りに着手した。 同市は全国有数の温泉地だが、団体旅行の衰退などで観光客はピーク時の半分という。リーダーの高野宣也さん(41)は「二度とないチャンス。かがやきにあやかりたい」と意気込む。 同新幹線富山―金沢間を往復する列車は富山県・剱岳(つるぎだけ)にちなむ4位「つるぎ」に。同名の純米酒を醸造する酒造会社社長(54)は「列車をモチーフにラベルを作りたい」。剱岳麓の
格安航空会社(LCC)の就航や円安などの影響で、関西国際空港の旅客数が伸びている。空港に接続する鉄道やバスの昨年度の利用者総数も前年度より15%増え、この10年で最多の1935万人に達した。こうした追い風を受け、鉄道、バスの各社はこれらの客を囲い込もうと、通訳案内係の配置や割安切符の発売、路線の新設などサービス強化策を次々と打ち出している。 通訳や割安切符などサービス強化策続々 LCC、円安…乗車15%増 新関西国際空港会社によると、国際・国内線の旅客数は2012年度で約1680万人。前年度より約290万人増えた。 近畿運輸局の集計では12年度、交通機関のうち、最も利用者が多いのはJR西日本の760万人で、南海電鉄621万人、リムジンバス516万人と続く。いずれも前年度比20~13%伸び、03年度以降では最多。12年度の総数は、新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)が猛威を振るった
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