今年の5月1日の「自由記念日」に、近隣の村で記念撮影をしたリベルランドの支援者。前列左から4人目が大統領のイエドリッチュ PHOTO: ANTONIO BRONIC / REUTERS / AFLO 今年の4月、バルカン半島の”空白地帯”に突然、独立国家が建国された。移住希望者が殺到していると聞きつけた記者が、実際に訪れてみると──。 ドナウ川に沿った田舎道を走り続けても、目の前に広がるのは荒れ地ばかり。道中、対向車にもまったく行き会わなかったが、驚いたことに一台のパトカーに停車を命じられた。クロアチア警察だった。 ちょうどよいとばかりにこちらから目的地までの道を尋ねると、最初は「そんな場所は存在しない」と言い張られた。だが、そのうちなぜか笑いをこらえながらこの近くだと教えてくれた。この4月、チェコ人の政治家ヴィト・イエドリッチュカ(31)が、世界で一番新しい国家「リベルランド自由共和国」